リモートワークラボ

【256人がリモートワークで回る仕組みを考える】後編~ 合同会社フィヨルド

「チームで働くリモートワーカー」を応援する【リモートワークラボ】がお届けするインタビュー企画。
この企画では、リモートワークを推奨している企業の社長やリモートワーカーに、リモートワークを取り入れている理由、チームが機能する仕組みをお話いただきます。

合同会社フィヨルド 代表社員 町田 哲平氏

2006年にアクトインディ株式会社でアルバイトを始め、Webサイトの立ち上げ・更新・改善作業、名刺、新聞折り込み広告、冊子作成などを行う。2007年、合同会社フィヨルドを設立。プログラマ・デザイナーの垣根をなくし、デザイナーも開発チームの一員としてチームので開発を行うスタイルで自社サービス・受託案件でデザインを行う。

合同会社フィヨルド 代表社員 駒形 真幸氏

ITベンチャーと点々としたあと2009年から合同会社フィヨルドにて怖話の開発やRuby on Railsを使ったWebアプリ開発に従事。

テキストでコミュニケーションをとるから、文章力が必要

これまでたくさんの方がリモートでインターンをしながら卒業していかれたと思いますが、リモートワークに向き不向きはありますか?

町田

そうですね。テキストでやり取りをするので、文章を書くのが苦手な人は、リモートのやり方に合わないかもしれないですね。そこに関しては、特にうちも一応アドバイスはするんです。「この業界で働くには文章力が必要だよ」って。それでもうまくいかない人は、やっぱり「この業界は合わないですね」みたいな感じになっちゃいますね。

インタビューに応じる町田氏

意外です。でも確かに、コミュニケーションがチャットとかの文章に頼る場面が多いですものね。

町田

そうですね。基本的にはチャットとか、日報ですね。あともう1個は、最近ちょっと始めた取り組みなんですけど、月に1回、リモート飲み会っていうのを始めて。

(笑)

町田

これはもう「参加したい人だけ参加して」という形で第一木曜日に開催しています。各自お酒を用意してGoogleハングアウトの前にいて、好きなことを喋りましょう、というのを月に1回やるようにしました。まだ始まったばかりなので、これがどう影響し、今後どう良くなるかは分からないですけれども。きっかけは、インターンの方が本当によく仕事をしてくれるんです。僕らの怖話のサービスにどんどん機能を追加してくれるんです。なので直接「本当にありがとう」と伝える機会が欲しくて、そのためにリモート飲み会をつくりました。

素晴らしいですね!リモート飲み会以外に、会う機会はありますか?

町田

年に1回ですけどインターン忘年会と言って、今まで卒業した人も含めてインターンの人全員を呼ぶ会を去年初めて開催しました。僕らがインターンの人に会うことも大事なんですけど、インターンの人同士も仲良くなってほしいんです。みんなそれぞれITの業界に入って似たようなことをしているので、インターン同士の交流も欲しいなと思って始めました。

フィヨルド様のインターン忘年会の様子

遠慮してしまうというのがリモートの問題点

では、リモートワークで悪い点、困っている点があれば教えてください。

町田

そこまで困っていることはないですが、強いて言うならば、やっぱりリモートだと遠慮してしまいがちという点ですね。もともと「分かんないことがあったらチャットで書いていいよ」と言っていたんですが、チャットだと僕らの手が止まってしまうとインターンの方たちは考えて遠慮してしまうようでした。なのでesaの日報を取り入れたことで、「実はチャットでは聞けなかったけど、こんなことで困っていたんだ」という問題が見えてきたところはあります。もちろん、それで全部の問題が拾えているかと言ったら分からないので、遠慮してしまうというのはリモートの問題かもしれませんね。

日本人らしいですね

駒形さんが到着されましたので、駒形さんにもリモートワークの良い点と悪い点、お聞きしてもよろしいですか?

駒形

良い点は、やっぱり電車に乗らなくていいところですかね(笑)

インタビューに応じる駒形氏

町田さんと駒形さんは、それほど頻繁にリモートしているわけじゃないんですよね?

駒形

オフィスに来る方が多いですが、受託開発では、僕は今、リモートですね。

そこに不便は特にないですか?

駒形

悪いところで言えば、今年は海外の方とやることが多いんですけど、やっぱり実際に会って話すときより、さらに英語が分からないという点ですかね(笑)一番難しいシチュエーションだなって思います。オンラインミーティングでは、顔が見えてない人が喋ったりもするので。

英語で?

駒形

はい。あとは表情とか、こっちが理解してない顔とかが、あまり伝わらないので(笑)

気を使われないですよね(笑)

駒形

はい。全然気を使わずバンバン喋られちゃうんですよね。

インターンの出入りが激しいので、チーム課金なのかユーザー課金なのかが大事

では次の質問ですが、今リモートワークがすごくうまくいっているということですが、esaでのドキュメント管理や日報の他に、おすすめのツールを教えてください。

駒形

チャットはSlackを使っています。あとタスク管理では、Waffleというのを使ってますね。

このWaffleのいいところは、どんな面ですか?

町田

Waffleは、基本的にはPivotalTrackerと同じなんです。今この人は何をやっていて、この仕事はどういうステータスにあるのか、完了したのか、レビュー待ちなのか、というのが一覧で見れる方式のタスク管理です。カンバン方式と言われる方式なんですけども、Waffleというサービスを通してGitHubのタスク管理を見ると、PivotalTrackerのように見れるんです。

連携されるということですね?

町田

連携するサービスなんで、特殊なんです。それ1個だけでは完結しなくて、GitHubとセットで使うんです。本来だったらPivotalTrackerを使えば十分なんですけども、PivotalTrackerをうちが使わない理由は、PivotalTrackerはユーザー課金なんですよね。うちはインターンの出入りが激しいので、1人幾らと払っていくと、すごいお金を払わなきゃいけなくなっちゃうんです。Waffleはチーム課金なんですよね。なので、Waffleを使っています。うちがツールを選ぶ上で、他社さんと気にするところで違いがあるのはここですね。

そうですよね、出入りがあるんですものね。

駒形

あとうちが独自でつくってるチュートリアルの、インターンのEラーニングシステムは自分たちで作っていて、チャットと連携してますね。

町田

勉強していて行き詰まったっていうときは行き詰まったボタンを押すと、「なんとかさんが行き詰まっています」ってチャットに流れるようになっています。

行き詰まってるボタンを押すと、何かが起きるんですか?

町田

そうすると、駒形さんが見てくれるっていう(笑)

「大丈夫?」って(笑)

駒形

「大丈夫だね。頑張れ」とか(笑)

2人でまわる仕組みを考えていくのが、やっぱり面白い

駒形

あとはCasterBizというリモート秘書のサービスを利用しています。

町田

リモートのアシスタントみたいなものですよ。

総務、事務代行みたいなことですか?

駒形

チャットでやり取りして、やってもらうことは、Waffleに入れて、担当をCasterの人にお願いしています。

町田

理想はインターンの人が雑用も全部やってくれればいいんですけど、さすがにインターンは出入りが激しいのと、本当に雑用ばっかりやらせたらモチベーションが続かないとか、あと学習週と作業週は1週間交互なので急ぎの仕事をお願いできないとか、締め切りがあるのはお願いできない等、制限があるんですよね。なので、制限があって、なおかつプログラムに関係ないつまらない雑用は、このCasterというリモート秘書にお願いしています。

町田

そうですね。例えば、お店の予約だとか。

駒形

あとは、僕らが作っている怖話の怖いニュースを集めてきて、ニュース記事を書いてもらうとか。ライティングとか、あとプレスリリースとか。

町田

一番助かるのが、うちもクラウドソーシングを使うことがあるんですけど、クラウドソーシングを2人の社員だけで使うのって結構厳しくて、例えば心霊スポットを1000個集める場合に、依頼をするまでは簡単なんですよね。でも、1000個が納品されたときに、1000個をチェックしなきゃいけない、1000回オッケーをしなきゃいけない。これを僕らでやったら本当にもう全然楽にはならないんで、そういうのを代わりにやってもらっていますね。

町田

もともと僕らは社員を増やさないというルールを初めに設けたので、できないこと、できることってすぐ分かるんですよね。2人ではこれはできないっていうのは、やりたいことがあっても切り捨てるんですよ。だけど、Casterというサービスがあることで、今まで切り捨てたことができるのは、すごく嬉しいですね。

町田

2人でまわる仕組みを考えていくのが、やっぱり面白いですね。

洗濯物が溜まって、洗濯機をまわしながら仕事がしたいというときはリモートワーク

次の質問ですが、お二人はオフィスも好きだということですが、例えば雨の日とか、今日は家で1日リモートワークをしようという際の、1日のスケジュールを教えてください。

町田

雨が降ってもやることは全く変わらないですね。

ちょっと家事が増えたりとか?(笑)

町田

確かに。たまに洗濯物が溜まって、洗濯機をまわしながら仕事がしたいというときは家にいますね。

駒形

僕は自転車通勤なんですけど、リモートワークのときだと、会社は開始が10時からなので、ぎりぎりまで寝ていて、10時から仕事を即始められるっていうのは違いますね。仕事をして、12時になったら、会社にいるときも12時になったらお昼を食べに行きますが、家の場合は適当に何か買いに行ったりして(笑)戻ってきて、19時まで仕事をして、会社とそんなに変わらないですね。

町田

全然変わらないですね。

家で仕事をすることに関して、ご家族の感想などはありますか?

駒形

そうですね、僕は奥さんがいるんですけど、僕より早く出社して僕より遅く帰ってくるので、あまり出社していようがしていまいが(笑)

どっちでも関係ないんですね(笑)

インターンを当初の目標の256人集めたい

では最後になりますが、今後目指す方向をお願いします。

駒形

方向性ですか。インターンを当初の目標の256人集めるっていうものがあります。

町田

このインターンの仕組みを始めたときに、駒形が「256interns.com」というドメインを取ったんですよ(笑)256人インターンを集めたいという目標があったので。

なんで256人なんですか?

駒形

256はエンジニアが好む切りのいい数字なんです。2の8乗が256なので(笑)怖話の開発力を上げるために、2人の会社では出せない作業量を出したくてインターンを始めました。やっぱりスケールする仕組みを考えちゃうので、256人のインターンが来ても回るような仕組み、僕らが雑務に追われないでインターンが回る仕組みを考えてるようにしています。

今あるものは256人対応できるんですか?

駒形

esaが唯一256人分の金額になっちゃますが、ほかのツールは全部チームごとで、人数に応じて増える金額ではなくて、チーム課金のツールなので、esa以外は一応回るはずです。

方向性でと思ったら、インターンを256人にしたいと。

駒形

あとは、企業のプログラマーの社員研修とかを有料で、うちのインターンのカリキュラムを使って提供しています。また、内定者インターンという、企業の内定が決まっていて、入社までの1年間研修をやりたいっていうところ向けに、僕らのシステムを有料で提供したりもしているので、それも増やしていきたいなと思っています。

町田

その場合は今までは学習と作業の交換だったんですけど、そうではなくて学習だけをやる、そのかわりに有料にするという、スクールに寄ったほうですね。あとは、やっぱり怖話。自社サービスである怖話の売上を伸ばすことですね。

ありがとうございました。インターンの仕組み、とても特殊で驚きました!

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