新しい働きかたを支えるコミュニケーション ~ ChatWork 山本正喜 x SonicGarden 倉貫義人

新しい働き方を支えるコミュニケーション | ChatWork 山本 正喜 x SonicGarden 倉貫 義人

第3回 日本でいちばん社員満足度が高い会社の、いま

倉貫

以前『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』、私も読みました。

山本

ありがとうございます。

倉貫

でも「非常識な働き方」って自分たちで言うのはどうでした?(笑)

山本

自分たちだと当たり前だと思ってたんですけど、でも周りから見ると非常識らしくて(笑)。外部の方から「このコピーにしよう」みたいな提案があって、「あ、非常識なんだ」と(笑)。

倉貫

あー、その感じ、とても共感できます(笑)。

山本

(笑)

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倉貫

これは経営的な視点で聞きたいんですけど、わかって聞いてるところもあるんですけど、社員満足度を高めようというのは、会社として合理的な理由ってあるんでしょうか?

山本

もともとはうちの代表が経営の勉強をしていたときに、経営者1000人ぐらいに会ったんですよ。

倉貫

それはすごい。

山本

1000人に会って、それでうまくいっている会社、うまくいっていない会社とかを見たときに、うまくいっている会社っていうのは、社員が生き生きと働いているというところが共通している。それに着目して「中から幸せにしよう」というのが、うちの代表がいつも言っていることなんです。従業員満足がないのに顧客満足はない。まず中にいる身近な人から幸せにしていって、それを広げていくほうがいいんじゃないかっていう考え方が最初にあったんですよね。

倉貫

短絡的に考えちゃったら、従業員満足より顧客満足だろうとか、会社の売上とか、数字のほうが大事じゃないかというところに行きがちなんだけど、やっぱりまず社員ということですね。

山本

そうですね。社員満足があるから顧客満足ができるという、自分たちが満足して働けてないのに顧客満足はできないだろうという考え方でずっとやってきて、それでずっと10何年もやってきてますので、当たり前になっているわけですね。

倉貫

社員満足を高めるために、社員の満足度って社内でどうやって判断してます?「満足してる?」って聞くとか(笑)。

山本

(笑)。満足度を測るというところは、以前にリンクアンドモチベーションさんがやっているサーベイをやってみました。それですごく客観視できて、スタッフがどう思っているかというのが分かって、対策をどんどんやっていったら満足度もどんどん上がっていって日本一になったんです。なかなか自分たちでは判断しづらいので、外部の目線を入れるというのもあるのかなと思ってます。

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倉貫

社員の人たちから「こういう働き方がしたい」とかっていう提案とか、アイデアとかは出てきたりするんですか?

山本

そうですね。基本は社員からアイデアが上がってきて制度ができるっていうことをずっとやっている会社です。リモートワークの話で言えば、基本的にはオフィス勤務が前提なんですが、社員が暮らす環境や状況に応じて在宅勤務の人が何人もいます。それも「やりたい」と言ったから「じゃあ、やってみようか」というので実験的に始めてみたので、働き方もどんどん柔軟になってますね。最近だと副業している人も出てきてますけど、昔はそういうのもなかったんですけど、最近では「じゃあ、認めてみようか」っていうことでやったり。

倉貫

それは良い会社ですね。そういうのは、社員から上がってきたときに、経営から「まあ、いいんじゃないか」と。

山本

そうですね。経営で判断して、リスクを考えて少しずつ試しながらやっていくという感じですね。

倉貫

経営から「ダメ」って言うことはないんですか?

山本

ダメということは、なくはないです(笑)。

倉貫

その辺の会社としての判断基準ってありますか?

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山本

会社としても、その人にとっても、お互いにメリットがあるといいですよね。そこにギャップがあるんだったら、そこはすり合わせをしなきゃいけない。

倉貫

その通りですね。

山本

例えば「在宅で働きたい」といって、全然働く環境がなかったりとか、やっぱり向いている人とか向いてない人とかあるじゃないですか。在宅しても良いんですけど、そこで生まれるスタッフとの距離を埋めるような努力も必要で、そこまでする覚悟があるなら「じゃあ、やってみようか」ってなります。ただ会社の制度だから、というのは難しいのかなという気がします。