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第9回 ビジネスコミュニケーションの進化を加速させる存在に
- 倉貫
社員と社長のコミュニケーションは、どうですか?
- 山本
今でいうと、アメリカになってしまったので、まだあまり社長と話してないというメンバーが増えてはいますね。その代わり、チャットでのやり取りはすごい多いですね。
- 倉貫
なるほど。時差もありますもんね。
- 山本
あとはリモートで、僕らは昼にやる昼礼って言ってるんだけど、それを全体でやっていて、社長と話したりっていうことを定期的にやって共有してますね。
- 倉貫
面白いですね。昼礼というのは、みんなつなぐんですか?
- 山本
そうです。弊社の大阪、東京、シリコンバレーを全部つないで、同じ時間で2時間ぐらいかけて。
- 倉貫
そんなに。
- 山本
代表が話して、僕が話して、もう1人の役員が話してっていう感じで。
- 倉貫
経営者は今こういうことを考えているよっていうのを伝えるんですね。
- 山本
そこで経営の情報共有とか、大きなプロジェクトとか、会社の動きがこうなっているよというのを伝えて共有してますね。
- 倉貫
それは社員からすると会社のことを知れる良い機会ですね。ただ、昼礼の時間はアメリカからだと大変そうですね(笑)。
- 山本
そうなんですよ。アメリカのメンバーは17時間の時差があるので、距離はなんとでもなるんですけど、時差がいかんともしがたいところがありますよね。昼礼を動画に撮っておいて後で見ていいみたいな工夫はやってますね。
- 倉貫
僕らも朝礼が本当はやりたいんですけど、みんなリモートで難しい。
- 山本
時間がずれますよね。
- 倉貫
そう時間がずれる。出社時間が決まってなくて、みんな好きに仕事を始めるんです。しかも社長が集まれって言っても、みんな集まらないので(笑)。じゃあ、どうしようかなと思って。毎朝5分間だけ僕が音声を録音して、みんなのスマホに配信するってやっていて、みんなは社長ラジオって言ってくれているんです。
- 山本
(笑)
- 倉貫
社長ラジオを5分間だけ、子どもの送り迎えとか、通勤時間とかに聞いてくれる。毎朝、一人で録音してるので、その様子はシュールなんですけど(笑)。でも、社長がしゃべっているのをみんなが聞くだけで親近感をもってくれるんですよね。
- 山本
それはありそうですね。
- 倉貫
社員同士のコミュニケーションで他にやってる取り組みってありますか?
- 山本
あとは僕らでいえば、月1回、会社飲み会っていうのはやってますね。リモートワークの社員も、例えば広島とか、岡山とかであれば、大阪は比較的近いので、月1回ぐらいは来なよみたいな感じで一緒に飲み会をやったりですね。
- 倉貫
ChatWorkさんは今、40人ルールを超えて、資金調達もして、次のフェーズに入ってきた感じですね。
- 山本
そうですね。世界にチャレンジしていこうと思ってます。
- 倉貫
最後に、今後の展望や、これからの働き方についての考えを聞かせてください。
- 山本
今、ビジネスチャットのサービスというものは、どこもすごく増えてきてて、どんどん広まってきてるんですけども、まだまだやっぱり電話、メールでの働き方ってすごく多いじゃないですか。やっぱり電話、FAXからメールになって、その次って恐らくチャットだと思って、そうなってくると、どんどん働き方の多様性っていうのができると思うんですよ。
- 倉貫
ええ。
- 山本
リモートワークにしてもメールだと厳しかったのが、チャットだとできるようになったりとか、もっとシンプルにスピーディーにコミュニケーションできるようになったり、会議室がいらなくなったり、電話がいらなくなったりっていうことができるので、ワークスタイルの変革を進めたいなっていうところで、僕らはまず日本においてそれをやるし、またグローバルでもやろうと思っていて、ビジネスコミュニケーションの進化を加速させる存在になりたいですね。
- 倉貫
ワークスタイルの変革とビジネスコミュニケーションの進化は、切り離せませんね。
- 山本
あとは、これからの日本の課題においては、やっぱりグローバルへの挑戦っていうのはすごく大きな課題で、なかなか日本のウェブサービスって世界で全然勝ててないので、そこをちゃんと日本発で、僕らみたいな小さな会社が世界でもやれるんだよっていうためにも、グローバルで勝つっていうことをやっていきたいなと思ってます。
- 倉貫
日本発、ぜひ盛り上げていきたいですね。今日はいろいろお話を聞けて、とても楽しかったです。ありがとうございました。
- 山本
こちらこそ、ありがとうございました。
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取材後記
上野駅から少し離れた昔ながらの町並みの中、昔ながらの雑居ビルにChatWorkさんのオフィスはあります。入ってみると、外の町並みやビルの外観からは想像もつかないオシャレな内装で、サンフランシスコのスタートアップのオフィスを彷彿とさせます。
山本さんとは、じっくりとお話をさせて頂くのは初めてでしたが、会社の価値観や理念の部分など、とても共感するところも多くあって、とても楽しい取材となりました。改めて感じたことは、うまくいっている会社や良いサービスは、そこで働く社員のことを大事にしているんだ、ということですね。
そして、働き方を良くするために何をすべきなのか、真摯に経営陣が考えているということも大事なことです。特にChatWorkさんは、これからさらに組織が成長していく中でも、そうした価値観を失わずにやっていこうとされていることがよくわかるお話でした。
対談のあと、ChatWorkでエンジニアとしてリモートワークを実践されている重村さんと小野澤さんにも、オンラインでつないでもらってお話を伺いました。
山口県からリモートワークをされている重村さんは、家族やペットと過ごす時間や会話が増えたこと、そして自分に投資する時間が増えたことが良かったことだと仰っていました。自然に囲まれた中で過ごされていて、「イノシシが罠にかかって今日は牡丹鍋だ」という話がチャットに流れて盛り上がることもあるそうです。
小野澤さんは横浜在住ですが、オフィスまで通勤に2時間かかるということでリモートワークをされています。家にいて子供たちの面倒を見れることで、奥様の負担も減ったそうです。何より、通勤がなくなったことで満員電車に乗らなくて済むのが良かったということでした。ただ最初の頃は、お子さんからはパパ働いてないんじゃないのかと心配されたそうです。リモートワークあるあるの話題ですね。
そういったリモートワークに関する誤解をといていくためにも、「リモートワーク」という働き方そのものを日本のワークスタイルの常識にしていきたいと改めて思いました。新しいワークスタイルが普及し、誰もが自分らしい働き方ができる社会を目指したいですね。
(株式会社ソニックガーデン 倉貫義人)
Remote Work Laboではリモートワークを行なっている企業の記事を作成しています。
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