「チームで働くリモートワーカー」を応援する【リモートワークラボ】がお届けするインタビュー企画。
この企画では、リモートワークを推奨している企業の社長やリモートワーカーに、リモートワークを取り入れている理由、チームが機能する仕組みをお話いただきます。
合同会社selfree 代表 小俣氏(中央)
立教大学を卒業後、人材紹介会社に営業職として入社。入社一年目から新卒採用プロジェクトに参画し、採用活動に従事。 プロジェクトの完了を機に、入社前から考えていた起業を決意し、同社を退職。その後、2014年7月に合同会社selfreeを創業し、代表を務める。2015年7月には、5分で電話を効率化するクラウド電話サービス「CallConnect」をリリース。趣味は、バスケットボールや旅行。
合同会社selfree 本間氏(右)
青山学院大学を卒業後、在学時代に独学で習得したプログラミング技術を生かすために楽天株式会社へ入社。同社では、Infoseek ニュースの再構築や楽天サロン、楽天キレイドナビの立ち上げを担当し、Web・スマートフォンアプリ開発の技術を体得する。その後、さらなるチャレンジをすべく同社を退職し、独力で複数のウェブサイトやアプリをリリース。その後、代表小俣と出会い、2015年1月にジョイン。趣味は、フットサルやジョギング。
合同会社selfree 畠氏(左)
金沢大学を卒業後、広告代理店で大手百貨店のWEBサイトデザインから撮影までを一挙に手がける。その後さらなる成長を目指し、同社を退職。本間とサンフランシスコでのアプリ発表チームで一緒になり、合同会社selfreeの存在を知る。代表小俣の想いに共感し、2015年1月にジョイン。趣味は写真や登山。
リモートワークを実施する際に活用しているツール」
3名の方がそれぞれの拠点でリモートワークをされていると思いますが、情報共有しやすいために行っている工夫やお薦めのツールはありますか?
- 小俣氏
ツールとしては、先ほど申し上げた「appear.in」を、朝礼と終礼用のミーティングで使っています。
タスク管理や進捗管理には「Trello」というものを使っています。また、「Slack」を使ってコミュニケーションを取っています。
あと、自社のサービスの「CallConnect」も使っています。本社宛てにかかってきた電話を、あらかじめ熱海に飛ばすように設定し、テクニカルなことは本間の携帯やPCに繋がるようにして、対応しています。
自動で熱海に繋がるのですか?
- 小俣氏
はい、そうです。「CallConnect」は、ガイダンス設定で「○○にご用の方は1と#を」のように振り分けができます。今までだと本社の番号で受けて、CTOの本間が熱海にいる場合は、1回折り返し対応にして内容を確認して折り返して、、、としていたので、問合せ対応にとても手間がかかっていました。
今ではCallConnectを利用しているので「営業にご用の方はダイヤルの1と#を」だと私の携帯やパソコンに着信、「システムに関する問い合わせは2と#」の場合は熱海にいる本間の携帯かPCで連絡を受けられるようになっています。これのおかげで問合せ対応が非常に効率的になりましたね!
「オフィスに入る」ように、ログイン
先ほどご紹介いただいた他に、使っているツールはありますか?
- 小俣氏
たまに使うのが「Sqwiggle」っていう画面共有ツールですね。
「Sqwiggle」は画面共有というのは、ビデオ会議とは別のタイミングで利用する感じでしょうか?
- 小俣氏
そうです。10時~18時の間、5分ごとに画面キャプチャを撮って共有します。これはソニックガーデンさんで提供している「Remotty」と似ていますね。
「Sqwiggle」はどのような時に使うのでしょうか?
- 小俣氏
10時の朝礼が終わった後に全員で画面を共有して、パソコンの前にいる状態で、軽く話しかけたいときに使います。最近は私も外に出る機会が多かったので、使う頻度が減ってきてはいます。
つまり、皆さんがパソコンの前で仕事ができるときには、10時に「オフィスに入る」という感じで「Sqwiggle」に入ったりするのですね。
- 小俣氏
はい、その通りです。
会社の制度として、「管理」という概念は薄い
リモートワークを実施されている企業様へインタビューをさせていただくと、給与制度や福利厚生の面でマイナス面や難しい点があるというお話を耳にします。
例えば、どれぐらい働いているのか見えにくいため、成果重視にしたところ、成果が出ない場合は働きすぎてしまうケースがあるようですが、勤怠管理や評価などどのようにされていますか?
- 小俣氏
まず、他のリモートワークを導入されている企業と大きく違う点は、弊社が3名のスタートアップであることだと思います。
自社サービスの「CallConnect」の成功を目標の一つとして共有しながら働いるので、一応の勤務時間は10時~18時で決めてはいますが、その時間しか働かないかというと、そういうことはありません。
そういう意味では、「管理」という概念が薄く、「目標達成のために、できることをみんなで頑張ろう!」と集まっている会社でもあるので、勤怠管理ができないなどの課題は弊社では感じていません。
月に1度は必ず会うようにし、連帯感を高める
離れて仕事を各自がしていると、そのタスクだけを処理して、お互いの関わりが薄くなってしまう可能性があると思うのですが、10時の朝礼の他に工夫している点はありますか?
- 小俣氏
まだまだ3人でこれから団結してやっていかなければいけないので、基本的には月に1回は、東京か熱海で3人集まるようにしています。熱海まで電車で、各駅停車だと2時間ほど、新幹線だと40分ぐらいで行けるので、月1では必ず会うようにしています。また、3カ月に1回、四半期ごとに達成会としての飲み会もやっていますよ!
その達成会というのは、「中間目標に対して、ここまで達成した」というような形で行うのですか?
- 小俣氏
そうですね。あとは、2週間ほど開発合宿と称して熱海に3人集まって開発を集中してやったりします。
リモートワークで働く人材も採用していく
最後に今後の会社の方向性について、まずは、人材の採用についてお聞かせください。また、これからサービスの拡販をしていく中で、人が必要になった場合、リモートワークと新しい人材をどのように対応させていくのでしょうか?
- 小俣氏
一応、直近では、特に採用計画はありませんが、今後、もし採用したときには、リモートワークもOKにしていこうと考えています。ただ、ある程度の信頼関係が構築されていないと難しいこともあるので、東京近郊に住んでいる方だったら、まずは同じオフィスで1~2ヶ月は一緒に働く期間はおきたいですね。
「遠隔地でどうしても」という場合は、リモートで実際に試してみて、どのくらいの成果が上がってくるのかということで判断します。また、本当に目的共有ができるかということが一番大切だと思うので、仮に遠隔地にいる人を採用する場合も、私が実際に会いに行こうと思っています。
メンバーとの出逢いはシェアリングエコノミーのカンファレンス
ちなみに皆さんの信頼関係が強く築けているように思うのですが、どのようにして知り合ったのですか?
- 小俣氏
もともと私が2014年の7月に創業したときに、「車の相乗りのサービス」を1人で外注してローンチしていました。それと同じタイミングでCTOの本間も楽天を辞めて、自分で同じようなシェアリングのアプリを作っていたんですよね。
あるとき、偶然カンファレンスで知り合う機会があり、作っているサービスの共通点が多かったので一緒に食事に行くようになったんです。次第に、お互いのやること、できることは異なるけれども、目指すところは同じであり、「一緒にやった方が良い」ということになりました。本間が私と出会う前に参加していイベントで、別のグループで同じようなシェアプランで優勝したチームのデザイナーが畠でした。畠ともやれることは違うけど目指すところは一緒ということで、現在に至ります。
お互いがそれぞれに強みを持っており、お互いに尊敬しているのですね。
- 小俣氏
そうですね。
「革新によって人々の生活をよりよくする」
ライドシェアのサービスからクラウドのCTI(※)へと大きく方向を変えた印象があるのですが、その点についても踏まえながら、今後の会社の方向性について話していただけますでしょうか?
※クラウドのCTI: 工事や専用の機器が不要で、ブラウザでコールセンター(お客様窓口)を立ち上げられるクラウド型電話サービス
- 小俣氏
ライドシェアをやろうと集まった3人が、いろいろ事業を進める過程で、法律的な課題や、BtoCで圧倒的な数を取らないと収益もマネタイズも難しいという問題にぶつかりました。話し合いを重ねたとき、去年の4月に本間がたまたま自社サービス「CallConnect」の前身となるサービスで使っている「Twilio」という技術に触れる機会があったことが突破口となりました。
特に資金調達があるわけではなかったので、まずは自己資金でできるところまでやってみようと決めました。まずは可能性を感じていた「CallConnect」から直近でやることを切り替えましたが、ライドシェアサービスについても、継続してサービス化を検討しています。
まずは、いち早くこの「CallConnect」というサービスを浸透させていきたいと考えています。
なるほど。事業の多様化することで会社の理念やビジョンとズレが出てくるなどの心配はありませんか?
- 小俣氏
弊社の理念が「革新によって人々の生活をよりよくする」なので理念を基準に考えた時に、そこから逸れていなければ、事業は多様であってもいいと私自身は考えています。
「CallConnect」も、私たち自身がリモートワークをやっていて直面した、電話の取り次ぎなどの課題を十分解決できるサービスになっています。なので、今後はリモートワークを実践するより多くの企業さんに、ぜひ使っていただけるサービスとして展開していこうと考えています。
電話の取り次ぎ問題はリモートワーク企業以外でもあると思うので、リモートワークを実践されていない企業でも活用できそうですね!本日はありがとうございました。
- 小俣氏
ありがとうございました。
【通勤という非効率性の排除。生産性の追及により得られたものとは?】合同会社selfree
(前編はこちら)
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