第1回から読む
リモートにリアルを足していく
- 倉貫
これまでずっとリモートワークでやってきた訳ですけど、そうは言ってもオフィスは欲しい、なんてことあったりしますか?
- 吉岡
オフィス欲しいです(笑)。
- 倉貫
欲しいんだ(笑)。イメージみたいなものってあります?
- 吉岡
今のスタジオは時間で借りてやっているので、マドレボニータだけのスタジオが欲しいですね。
- 吉岡
月曜日から金曜日まで毎日マドレの何かをやってるみたいな。そこで例えばイベントができたりとか、ミーティングができたりとか。
- 林
そうそう。全部がリモートワークじゃなくて、そういう拠点があって、ほかにリモートワークの人がいてっていうバランスでやりたいねって話をしてます。
- 吉岡
それはやりたいね。やっぱりすごく層が厚くなってきていて、昔はみんな小さい子どもがいる人たちだけで回してたから、だから、オフィスがあっても行けなかった。
- 吉岡
だけど、今はもう私の場合は、子どもがもう高校を卒業して大学生になっていたり、そんな状況になってきて。
- 倉貫
なるほど、ライフステージが変わって動けるようになってきたんですね。
- 吉岡
そうすると例えば、必要な場合は、手取り足取りその場で教えたりできるから、リモートでは難しかったインターンの学生さんにも参画してもらえたり、もっと参画をしていただける人の層が広がるなと思っているので、場所は持ちたいですね。
- 倉貫
なるほど。面白いですね。普通の会社はオフィスに縛られてたところが、これからリモートワークだって言ってるのに、マドレさんは最初がリモートワークで、これからリアルに広げていくっていう、逆パターンですね。
- 吉岡
そうなの。逆を行ってるんですよ。だから、養成コースも実はやり方をがらっと変えたんです。オンラインだけだと顔を合わせられないことのストレスのほうが上回ってきたので、今期からは通いの3カ月間と、オンラインを組み合わせた形でやることに。
- 林
ハイブリッドにしたんです。
- 吉岡
それによって、今回東京で一気に5人合格者が出たんですけど。それは私じゃなくて、東京の経験を積んだインストラクターに担当してもらったんですね。そうなると、例えば、名古屋でやりますっていったときに、今東海地区に2人マドレボニータの認定インストラクターがいるので、そのインストラクターたちが教えるスキルを身に付けて、名古屋でできるじゃないですか。そうすると、また東海地区で6人とか誕生したらすごくいいですよね。そうやって増やしていきたいなと思ってて。だから、すごい時代に逆行してる。
(一同笑)
- 林
そんな感じの動きですよね、今。
- 吉岡
「時代はリアルだ!」って言ったりして。
- 倉貫
面白い。
- 吉岡
そうなんですよ。「みんな、リモート、リモートって、今頃言い出して」みたいな。
(一同笑)
- 倉貫
「もうそんなのは当たり前だ」と(笑)。
- 吉岡
そう。リモートでやってる私たちの強みは、事前のコミュニケーションがすごく濃密なことなんです。だから、会ったときのコミュニケーションも密なんですね。
- 林
そうそう。
- 吉岡
実際に会って話すのが良いと言っても、2~3時間ちょっと喋ったくらいじゃわからないじゃないですか。やっぱりそれだけだとコミュニケーションは深まらない。
- 倉貫
今までの出張とか、そんな感じですよね。分かり合えてない。
- 吉岡
私たちは会えないことがデフォルトだったから、会えない時間のコミュニケーションを深めた上で会うみたいなことをしているので、やっぱりすごい円滑になるのかなと。
- 林
それは大きいよですよね。
- 吉岡
オンラインでのコミュニケーションが薄いと、やっぱり絆は育たない。リモートとリアルの組み合わせ、ハイブリッドが大事だなと思ってます。
- 倉貫
今日のお話を聞いて感じたのは、マドレボニータさんの良いところは、形にこだわらないところですよね。いろいろ試して変えていくのを恐れない感じ。
- 林
確かにそうですね。
- 倉貫
だから、あと1〜2年したらまた変わってるかもしれないですよね(笑)。
- 吉岡
ありえます(笑)
- 倉貫
そんな変化も楽しみにしておきます。今日は本当にありがとうございました。
- 吉岡・林
ありがとうございました。
はじめから読む
取材後記
マドレボニータさんにとって、リモートワークという働き方は、もはや挑戦でもなんでもなくて大前提だし、それよりももっと大きなことを成し遂げようとする中での手段や形の一つでしかないのだと、今回の取材を通じて改めて感じました。
また経営者として、事業部制にして自立したチームにした話は、とても勉強になりました。おそらく、リモートワークだからということは関係なく、チームの育て方とはこうあるべきだと学んだのです。
リモートワークとしてのノウハウとして、オンラインでオフサイトミーティングをする発想も非常にユニークでしたね。普段のミーティングや、リモート飲み会でさえできるのなら、オフサイトミーティングだって出来てしかるべきです。
形にとらわれず、本質を見据え、目的を達成するために組織がある。それは会社やNPOといった違いなどなく、これからの目指すべき組織のあり方のヒントが見えたような気がしました。
(株式会社ソニックガーデン 倉貫義人)
Remote Work Laboではリモートワークを行なっている企業の記事を作成しています。
取材をご希望される方は以下のボタンより、お気軽にご相談ください。
ご相談はこちら