リモートワークを組織に導入する場合、まずは小規模チームでトライアル運用を実施するのがオススメです。小規模チームでのトライアルには以下のようなメリットがあり、実施することでリモートワーク導入の成功確率を大幅に上げることができます。
- 想定される業務が絞られるので、ルールやツールの整備を短期間で実施できる
- 影響範囲が限定されるので、ルールやツールの試行錯誤ができる
- リモートワークに抵抗感の薄いチームに協力を依頼しながら試行錯誤できる
- 組織全体に導入するかどうかの判断材料となる指標が測定できる
トライアルチームの成否は本格導入へのステップとして大きいので、ぜひ成功させたいものです。しかし、どのような部署・チームにトライアルを要請するかの判断に困るケースも多く見られます。
ここではトライアルチームを選ぶ場合に「こういった条件に該当するチームがおすすめ!」というポイントをご紹介します。
リモートワークを実践できないと困るメンバーがいる
すぐにリモートワークを実践したいメンバーがいるチームでは、トライアル自体へのニーズがあるため、積極的な協力が得やすくなります。
育児や介護など家庭の事情などでリモートワークを切望しているメンバーがトライアルに参加すると、リモートワークを成功させようとオフィス以上に集中して頑張るため、生産性がより向上しやすくなります。また、プロセスやツールについて真剣にフィードバックをしてくれるので、課題の洗い出しや改善の取り組みをスピーディに行うことができます。
逆に、オフィスで働きたいと考えてるメンバーを無理にリモートワークのトライアルに巻き込んでしまうと、「家では集中できない」「リモートワークは生産性が下がる」といった声が上がりやすく、原因の本質を見失って失敗を招く恐れがあります。
業務がPCだけで完結しやすい
リモートワークではITツールを介してコミュニケーションをとるため、デスクワーク系の業務の方が導入を進めやすい傾向にあります。
例えば、同僚とチームを組んで頻繁に客先訪問を行うような部署であれば、自宅でそのような業務を行うことは難しい側面があります。また、プレゼンルームや研修室といったスペースや、社印や印刷機などオフィスに行かないと使えないモノを頻繁に利用する業務も難しいでしょう。
一方、システム開発や一般的な事務などはデスクワークが中心で、対面のコミュニケーションもオンライン会議で対応しやすいことが多く、トライアルのチームとしてはおすすめです。
ITリテラシーが低くない
リモートワークには適切なITツールの活用が非常に重要です。普段からチャットやオンライン会議ツールを使いこなしているチームと口頭や紙ベースのコミュニケーションが前提のチームでは、新しいツールへの抵抗感がかなり違ってきます。
少なくともチャットのようなリアルタイムのテキストコミュニケーションにある程度慣れていることが望ましいです。口頭ではそれほど問題とならない台詞も、文字にするとトゲのある表現となることも多いため、そのような点に配慮できるメンバーが望ましいでしょう。一概に言うことはできませんが、ある程度若手のメンバーが入っているチームの方が抵抗感が少ない傾向にあります。
新しい取り組みに前向きなマネージャがいる
リモートワークに限りませんが、新しい取り組みには多少の不便さや失敗がつきものです。そのため、このような取り組みに対して前向きに協力できるチームを探すと良いでしょう。
新しいもの好きであったり、これまでの慣習にとらわれすぎないマネージャがいる部門に、トライアルの候補として声をかけてみましょう。このような性質を持つマネージャは多少の失敗も前向きにとらえて一緒に改善を考えていける可能性が高くなります。
逆に、現状のプロセスやルールにこだわりがあり、新しい取り組みを面倒ごとのようにとらえるマネージャがいる部門では、いくら部下がリモートワークを歓迎していても、うまくいかない場合が多いでしょう。
リモートワーク推進者とトライアルチームのマネージャは、多少の困難があっても同じゴールを見て協力できることが望ましいです。安易な選択はトライアル実施時の対立になって混乱を招くので、しっかり検討しましょう。
まとめ
トライアルチームで失敗してしまうと、リモートワークの本格導入は遠のいてしまいます。以下の点を参考に、しっかり考えてトライアルチームを選びましょう。
- リモートワークを実践できないと困るメンバーがいる
- 業務がPCだけで完結しやすい
- ITリテラシーが低くない
- 新しい取り組みに前向きなマネージャがいる
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