(最終更新 2019/07/26)
リモートワークがなかなか上手くいかない一つの原因に、オフィス環境が挙げられます。リモートワーカーは、「場所にとらわれない」という思想をそもそも持っているので、カメラ付きのPCやイヤホンなど、オンライン会議に必要最低限の装備を整えていたり、離れていることを意識して、情報をこまめに共有することを意識していたりします。対してオフィス側はどうでしょうか?
リモートワークに関するたくさんのご相談をお受けする中で、オフィスとリモートしている人が混在するパターンのリモートワークにおいて、リモートワークがうまくいかない原因がリモートワークをしている人ではなくオフィスで働いている人たちにあることが多々見受けられます。今回はオフィス側のリモートワーク体制について考えてみましょう。
リモートワーク失敗の原因は…オフィス?
オフィスによくある島型で席同士が密接しているデスク構成では、マイクが近くの人の音を拾ってしまうので、オンライン会議がやりにくくなります。そのために会議室を取って移動するとなると、手間も労力もかかり過ぎますし、そもそも会議室がすぐに確保できないという問題も生じます。また、大きな会議室でリモートワーカー対オフィスという構造でオンライン会議をしようとすると、機材の準備や接続に時間を取られたり、オフィス側がひとつのマイクに向かって一斉に喋ってしまって、リモート側が聞き取りづらくなったりします。
このような「やり辛さ」を感じてしまうと、オンライン会議はどんどんカジュアルでなくなり、それ自体が面倒になってしまってなかなか開かれなくなってしまうのです。それはオフィスワーカーとリモートワーカーとの間に情報格差が生まれてしまうことになる危険性も孕んでいます。
では、近くにいても離れていてもコミュニケーションの取りやすいオフィスとは、どんなものでしょうか?
リモートワークが上手くいってるオフィスの共通点5つ
1.席同士の間隔がとれている
席と席が密接していないこと。できれば従来の島型のデスク構成ではなく、壁にくっつけて席と席の間隔が空けられるのが良いでしょう。小声であれば隣の席の話声が気にならないくらいの間隔が理想です。レイアウト自体を変更することが困難であれば、島から離れたところにオンライン会議用のフリースペースを設けてみてください。
2.全員がカメラ付きノートPCを使っている
各自のマシンをカメラ付きノートPCに統一することです。さらにすぐに使えるようにマイク付きのイヤホンをひとつ用意しておくことです。スマホに付属しているもので十分ですので、このふたつの装備をオフィスメンバー各自に徹底しておくことをおすすめします。
3.オンライン会議を使いこなせる
オンライン会議に必要な基本スキルを身につけておくことです。常に使うオンライン会議ツールをあらかじめ決めておいて、会議URLの発行・参加者へのURLの共有・音声のミュート・問題が生じた場合のリロードや再起動の方法・イヤホンの再接続方法・画面共有の方法を押さえておきましょう。これだけの機能が使いこなせれば、会議の最中に戸惑うことも無くなります。
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4. 情報共有ができている
オンライン会議がやりやすくなったら、今度は「情報共有問題」について考えてみましょう。オフィスワーカーとリモートワーカーが混在している現場では、オフィスメンバーが口頭で物事を決定してしまい、それがリモートワーカーに伝わらず、情報格差が生まれてしまうということがしばしば起こります。
これは実はオフィスだけでもよく起こる問題です。その場にいなかった、社内SNSに流れていたけどタイムラインに埋もれてしまった、など様々な原因で情報が行き届かなくなります。どんな些細な情報でも、チーム内で共有すべきことは、全てオンラインで受け取れる場所に保管しておくこと。なるべく整理しておくことが大切です。
重要な業務情報やアイデアが必ずオンラインツール上に現れるようになれば、よりコミュニケーションも仕事もスムーズになります。
5. チームの信頼関係が構築されている
リモートワークは便利ですが、やはり対面で得られる情報は大きなものです。どんな人なのかよくわからないまま距離が離れてしまうと、チームとして成り立たなくなってしまうのも当然。そのためにはチームメンバー同士の信頼関係の構築について、真剣に考える必要があります。
例えば常時チャットを繋いで雑談や独り言を流す習慣をつける、文字だけのやりとりの場合は、書き方や言い回しにより注意する、自分のアイディアや考えていること、成果などをオープンにする、細かいことでも相談する…具体的な方法を挙げるとキリがないですが、対面以上にコミュニケーションを密に行うということが、チームの信頼関係をより強固なものにするでしょう。
コミュニケーションについて再考しよう
オンライン会議がやりやすいオフィス環境と、最低限のスキルが備われば、リモートワーカーとオフィスの間に立ちはだかる壁が低くなります。例えばほんのすこし声をかけて相談したい時、チャットでも済む問題かもしれませんが、隣のデスクの同僚にさっと話しかけるようにオンラインで話しかけることができれば、よりチーム内のコミュニケーションがスムーズになるでしょう。
リモートワークのためのオフィス環境を、ぜひ見直してみてください。
チームワークをより強固なものにするための方法は次の記事で。