リモートワークをもっと当たり前の社会にするために、「リモートワークは普通!」になっている会社を紹介していきます。今回は、プロジェクト管理ツール「Backlog」、作図共有ツール「Cacoo」、チャットツール「Typetalk」などを運営する、株式会社ヌーラボさんにお話を伺いました!
福岡・京都・東京の3拠点を中心に、海外にも子会社を持ち、個人のニーズに合わせてリモートワークの形態も多岐にわたるというヌーラボさん。自ら考える、という精神が浸透していて、事務所自体から会社の行動規範に至るまで、色々なことをDIYされているそうです。働き方や人気ツール誕生までの経緯、会社を「DIYする」ことについてなどお話しいただきました。
小久保 祐介こくぼ ゆうすけ
株式会社ヌーラボ京都事務所 Backlog開発チーム プロダクトオーナー
五十川 慈いそがわ めぐみ
株式会社ヌーラボ PR & Community Manager
安立 沙耶佳あだち さやか
株式会社ヌーラボ HR
福岡、京都、東京の3拠点をリモートで繋ぐ
現在社内でリモートワークしてる人は、どれぐらいいらっしゃるんでしょうか?
小久保日常的にリモートワークしてるという意味だと、僕ともうひとりだけですね。全体で3人いるんですが、ひとり育休中なので。
フルリモートでやっていらっしゃるんですか?
小久保今、僕は自宅が名古屋にあるんですが、所属は京都事務所になってるんですね。週の大体3日は家で仕事をして、2日は京都事務所に来るというペースです。よく出張にも行っていて、そういうときは週の3日ぐらい東京に行ったり、福岡に行ったり。そんな感じでやってます。
京都事務所は、現在何人ぐらいいらっしゃるんですか?
小久保今日新しい人が入って、全部で8人になりましたね。
リモートしているときは、主に京都の事務所とのやりとりですか?
小久保いや、基本ヌーラボは、Backlogチームに関して言うと、福岡、京都、東京とそれぞれにチームがあって、「京都だからBacklogのこれをやる」とは決まっていないんです。だからやりとりもあちこち。
なるほど。普段のコミュニケーションのセオリーはありますか?
小久保「Typetalk」という弊社が開発提供しているチャットツールがあるんですけど、それでテキストのコミュニケーションを取るのがたぶん一番多いですね。あとは、今みたいにGoogle Meetを使ってオンラインの会議をします。定例ミーティングもありますね。
自社のBacklog、Typetalk、Cacooでコミュニケーションを取る、プラスGoogle Meetで取るというのが基本的なコミュニケーションですね。
どこにいてもコミュニケーションできる体制が整っている
御社のリモートワークは、制度としてはどうなっているんですか?
安立今、特に制度化はしてないんですけれども、本人や家庭の事情などを考慮して、個別に対応している感じですね。なので、「週1出勤、週4リモート」という人から、「週2~3リモート」という人などバラバラです。
特にルールがないということで「今日はこういうふうにしたいんですけど」という方もいらっしゃいます?
安立もっと長期での相談が多いですね。「しばらく家庭の事情でこういう働き方がしたいんです」と提案されることが多いです。一方で「今日は在宅です」というケースもありますし、認めています。
じゃあ、そういうときにどうコミュニケーションを取るかというのは、基本的には浸透していて、みなさん戸惑いもなく。
安立はい。どのチームに所属していてもチーム全員と会える拠点がないので、慣れていると思います。
- 小久保
そうですね。福岡、京都、東京とも分散拠点で開発してますので、そこに在宅のリモートワーカーが入ってくるイメージです。リモートだからというのは特別何かあるわけではないですね。
なるほど。皆さん、どこにいてもコミュニケーションは取れるから大丈夫みたいな気持ちなんですね。
小久保そうですね。
何でも「ドキュメントに残す」のが掟
リモートワークをするにあたって、リモートワーク側とオフィス側でお互いに気を付けてることはありますか?
五十川取り立てて「リモートワークだから」というのはないですね。海外のメンバーもいますし、全体として「誰がどういう会話をしてこういう経緯になったのか」を、オフラインの会話だけで済ませるんじゃなくてドキュメントに残す、という風潮はあります。結果的にリモートワークで働くメンバーにとってもいいのかなと思いました。
会社が発足した時点からリモートワークがあったわけではなくて、途中からニーズに応えて対応したんですか?
安立そうですね。小久保さんの採用に関しても、名古屋にいるのを分かっていて選考を進めました。弊社は福岡で受託業務から始まったんですけど、東京からのお客さんが早々に付いてしまったので、東京にも拠点を作って分散して行き来して、というのが最初の始まりです。
今、拠点は他にいくつあるんですか?
安立日本は3つで、東京、京都、福岡です。あと海外には3つ、ニューヨークとアムステルダムとシンガポールに子会社があります。
じゃあ、時差があるメンバーもいるという。
安立そうですね。最大で13時間ありますね。
そうすると、やっぱりドキュメントで何かを残すというのは、かなり結構重要なコミュニケーションになりますね。
安立そうですね。
どうせなら、仕事が楽しくなるようなツールを作りたい
かつては受託事業が中心だった、というお話がありましたが、その受託事業をやめて、自社事業だけに転換させた経緯を教えていただけますか?
安立もともと目指してたというところはあって、実は受託を始めて翌年にはBacklogの開発に着手しているんです。本当に慎重に9年間、受託と並行しながらやってきました。
なるほど。慎重に進めていって、顧客を獲得しながら。
安立そうですね。
Backlogを開発するに至った経緯を教えていただけますか?
安立受託時代に、東京拠点と福岡拠点とお客さん三者間のコミュニケーションの弊害というのが多々あったみたいで、そこがプロダクト開発につながったとは聞いています。
直接の体験がアイデアの始まりですね。
五十川はい。具体的には「バグの管理」の際の陰鬱とした気持ちがヒントになったそうです。楽しく仕事ができないと、生産性も上がりませんし、「どうせなら仕事が楽しくなるような、明るいインターフェースでバグ管理ができたらいいよね」というのが、生まれたときのエピソードと聞いてます。
そこから今14年経っているんですけど、だんだんバグ管理だけでなくプロジェクト全般の管理までカバーできるようなツールになっていきました。
小久保その当時、使っていたバグ管理のツールが、ツールを使っているというよりツールに使われてるというような、管理されてるという印象が強かったみたいです。それがすごく嫌で、その反動としてBacklogを作ったと聞いてます。プロジェクトの管理者だけでなくみんなで使うツールとして、ユーザーにアイコンを設定してインターネット上でも相手を身近に感じることができたり、課題のコメントに対してスター(『いいね!』のようなもの)を付けられたりとか、そういうちょっとしたコミュニケーションをよくしていくことで仕事に楽しさを出していこうというのが、Backlogのコンセプトのひとつですね。
今でこそユーザーのアイコンを設定できるのは当たり前だと感じるかもしれませんが、Backlogができたばかりの頃はまだ珍しかったと思います。そういう意味では時代がBacklogに追いついてきたと言えるかもしれません。
今、社内でもBacklogは皆さん使って仕事をしている?
五十川めちゃくちゃ使いますね。
Backlogを自分たちでも使って、バグを出したり意見を出し合いながらやっていらっしゃるんですね。
五十川結構チームによって使い方がさまざまなんですけど、タスク管理というか、「いつまでに誰が何をやる」みたいなところを共有して、その進捗についてチームで話したりとかしますね。
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