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伊東さんは今アルゼンチンにいらっしゃって、タンゴダンサーでいらっしゃるということなんですけれども。
そうですね。
トラベロコに採用された経緯を教えていただけますか?
3年前、アルゼンチンにタンゴの勉強をしに来まして、その頃トラベロコがロコ(海外在住日本人)を募集してサービスの提供を始めたぐらいだったんです。ちょうど見つけて、最初はロコとして応募をしました。何回かサービスをさせてもらって、すごくいいサービスだなと思って。自分も初めての海外暮らしですごく苦労をしていたので、サービスそのものや理念にすごく共感したんです。
心強いサービスですよね。
そうなんです。丁度その時にトラベロコのスタッフ採用があったので、応募しました。
今、トラベロコ内ではどんなお仕事をされているんですか?
ロコとして2年半ぐらい活動していたので、その経験を生かして、新しくロコに登録した人が『どういうふうにサービスを提供すればいいか分からない』とか『ユーザーとのやりとりの中で分からないことがある』というようなことに回答する、『メンターロコ』というサービスを始めたところです。今はそのサービスの確立というか、作っている最中ですね。
なるほど。今、登録されてるロコの方って大体何名ぐらいいらっしゃるんですか?
4万人ぐらいですね。
じゃあ、その4万人に対してなんらかのケアを、数十名のスタッフの皆さんでしているんですか?
基本的にはプラットフォームなので、ロコの人たちを僕たちがケアをするというよりは、場所を提供して『ここを自由に使ってください』と開放している状態ですね。やっぱりルールを守ってしっかりやっているロコにユーザーの人たちの依頼が自然と流れていくので、結果的に規律が守られていく。その中でルールを守らない人には何らかの問題が発生するので、それを僕たちが取り締まるみたいな感じですね。
じゃあ、先に場所ありきで、そこで発生した問題を解決したり、よかったところを伸ばしながら事業を広げていくというやり方なんですね。
なるほど。でも、メンターが付くというのはいいですね。『やりたいけど、分からない』みたいな人が気持ちよく働けるというか。そういう発想はスタッフの皆さんから出るんですか?それとも、社長さんが『こういうのが欲しいんだけど』と言ってくる場合もありますか?
メンターロコに関しては『アンバサダー的なものが欲しいよね』というような話が代表からあったんですけど、アンバサダーというものに対して私があまりイメージが湧かなくて、『それよりアドバイスする人の方が必要なんじゃないか』と。そこから企画を立てて始まった、という感じですね。
ディスカッションの中から提案が出てきたという形ですね。
コミュニケーションについてお伺いします。ツールは主に何を使っていらっしゃいますか?
SlackとTrelloでプロジェクトを管理して、ミーティングの時はSkypeを使っています。
ミーティングは定期的に開催するものがあるんですか?それとも、聞きたいなと思ったことがあったらすぐ話しかけてミーティングにつなぐというやり方ですか?
皆さん大抵そうなんですけど、週1でプロジェクトベースの定例ミーティングがあります。そこで進捗の共有であったり、議論したい内容を話し合います。その他は基本的にはチャットで随時質問を投げていきます。やっぱり時差があるので、チャットでポンと投げて、気長に返信を待つ、というスタイルが多いですね。
私も週1で代表の椎谷と打ち合わせがあるだけで、あとは分からないことや、困ったことがあったら、Slackで担当者の人に直接問い合わせをするという感じです。
私も同じようなスタイルで、何か質問があれば誰かに聞いたり、『ちょっとお話できますか?』という感じで時差にだけ気をつけながら連絡しています。
お互いに時差がかなりあると思うんですけど、時差がある仲間とコミュニケーションを取る時に気を付けてることや、やってみて『これが問題になるんだな』と思ったことはありますか?
とりあえず時差がある人間とコミュニケーションを取りたい時はすぐにメッセージを投げるます。ただ、すぐ返信が返ってこない可能性があるよねという気持ちを、自分の中で持っておくぐらいですかね。返ってこないからイラつく、みたいな気持ちは持たない。
なるほど。
全然返ってこないこともあるので、そこだけ気持ちを持っておけば普通にコミュニケーションが取れるかな。ただ、実際に時間差で連絡が返ってきた時に、自分が寝てるという可能性もあると。そうなると、キャッチボールの回数が直接会っている関係よりも必然的に減るので、可能な限り、具体的な業務で相談がある場合は、的確に相談したい内容を1回にまとめて送るようにしています。
最大で時差はどれぐらいあるんですか?
最大が、コロンビアのボゴタに1人いるんですけど、そこと東京の時差が14時間ですかね。
半日以上ですね。もう今が何時だかよく分かんなくなっちゃいますね(笑)。
はい。『おはようございます』と言っても『こんばんは』と返ってくる(笑)。
(笑)
1日の流れやお仕事のスタイルについてお伺いします。伊東さんはダンサーのお仕事もしながらという形になるんですよね?
1日の決まった流れってありますか?
曜日によってちょっと違いますね。例えば月曜日は自分のレッスンクラスを持っているので、それを午前中に終わらせて、午後は自宅に帰ってきてトラベロコのお仕事をします。タンゴって『ミロンガ』という夜のダンスパーティみたいな場所があるんですけど、ダンサーとしては、夜はそこに踊りに行ってちょっと名前を売ってくる、みたいな部分もあるのでミロンガに出かけることもあります。毎晩じゃないんですけど。
営業活動のようなものですか。
そうですね。営業的な要素もありますね。昼間は、自分のクラスがあって、その後にお仕事をするとか、自分が指導してもらうレッスンもあるので、レッスンとレッスンの合間にちょっとパソコンを立ち上げて仕事をしたり、そういう仕事のスタイルです。
かなり柔軟に時間を使っているんですね。
そうですね。今のところはそれでなんとか。『何時間やらなきゃいけない』というノルマはないんですけど、代表と週1のミーティングで決めた『これをここまでやっておこうね』というノルマはあるので、その1週間の中で時間配分を自分で決めて、スケジュールを立てて、そこまで持って行くという感じです。
平林さんはどんなスタイルで働いていらっしゃるんですか?
私は基本的に東京にいるので、もう本当に朝起きて、起きた瞬間、目の前にパソコンがあるので、そのまま顔を洗って仕事を始めまして。
すごいですね。それができるのは素晴らしい。
そうですね。よく『家でよくできるね』って言われます。午前中に大体人から頼まれた業務や、事務処理を片付けてしまって、午後からは、自分の企画を考えたり、その他の社員やインターンの方から来た質問に答えて…という感じですかね。私も『何かをやれ』と言われるよりは、やってみて『これはどうかな、できるかな』というのが多いので、人と連絡を取ることは少ないですね。『今日は6時ぐらいまでやって、出かけよう』と思ったら、そこのタイミングまで何かを黙々と進めるという感じで、本当に1日家にいます(笑)。
岡さんはどんな感じですか?
僕の場合はちょっとややこしいんです。今は東京に帰っているんですが、結構海外にいることが多いんです。1都市当たりの滞在期間が大体長くて1カ月くらい、短くて3日ぐらいで。
放浪しながらお仕事されてるんですか?
そうですね(笑)。初めての都市に訪れて、そこで仕事をするということが多いので、基本的な流れとしては、まず最初に自分が作業できる場所を確保します。その後に自分の生活に必要な食事する場所なんかを確保して、ある程度生活圏を固めた後に、インターネット環境が整った場所を見つけて、そこで仕事を始めます。
今は東京にいらっしゃるんですよね?
そうです。帰ってきました。
大体1年のうちにどれぐらい自宅でない場所にいらっしゃるんですか?
今年は10カ月ぐらい、自宅じゃない場所にいましたね(笑)。
お仕事されるのはコワーキングスペースみたいなところが多いですか?
僕はあんまりコワーキングスペースが好きじゃなくて、カフェを探して、そこで作業しますね。
なるほど。じゃあ、行ってからネット環境がかなりまずかった、ということもありますか?
ありますけど、やっぱりネット環境がある場所は事前にある程度調べておきますね。大抵宿にはあるので、外にいい場所がなかったら宿で作業します。
『ワーケーション』に近い働き方ですね。
そうですね、僕がやっているのは『ワーケーション』なのかどうか…。確かに実際10カ月ぐらい海外にいるので、外から見た時に『ワーケーション』というイメージを持たれます。ただ、一方で実際に初めて行った都市で仕事をする時に、仕事時間の大半はパソコンと向き合うわけですよ。その時間、海外にいるという価値はゼロです。ワーケーションで僕が重要だと思っていることは、可能な限りパソコンでの作業を減らしていく工夫です。その国、その都市に行ったからこそできること、行ったからこそ会社につながるような業務をつくっていくことを考える必要があるなと思っていて。なので、最初はあんまりできなかったんですけど、徐々に考えられるようになってからは、取材やインタビューを半分趣味で始めてみたり、実験的にいろいろするようになりましたね。仕事だけに縛られないで場所を生かす、『ワーケーション』と呼べるかもしれません。
後編に続く
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リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。