場所にとらわれない柔軟な働き方であるテレワーク。家庭や育児などとの両立を可能にすることから、女性から注目が集まっています。
今回は、女性が考えるテレワークのメリット・デメリットや、実際に導入して生活がどう変わるのかなど、事例を交えてご紹介します。
女性から見たテレワークのメリットとデメリット
まずは、女性が考えるテレワークのメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
■家庭や子育てと両立しやすい
子育てをしながらの働き方は、どうしても労働に割ける時間が限られます。また、子どもの行事や体調不良などで会社を休む際に気を遣ったりなど、心身ともに負担が大きいと感じている方も多いと思います。
テレワークは家族との時間を増やせるだけでなく、子どもが学校や保育園を休むときにも、自宅で世話をしながら仕事をすることができるので、仕事に穴をあけることもありません。
■仕事が続けやすい
結婚や出産でキャリアを捨てることなく仕事を続けられ、また、子どもの成長をしっかり見守りながら働くことができます。
会社によっては、時短勤務中の方もテレワークを併用することで、フルタイム勤務に移行することができる可能性があります。
■集中して仕事ができる
オフィスで働いていると、誰かに話しかけられたり、電話がかかってきたりして、そのたびに作業が中断されます。
テレワークなら、周りに人がいないので、静かに集中して仕事をすることができます。
デメリット
■長時間労働してしまう
仕事の成果を高めたいからと長時間働いてしまったり、仕事を詰め込みすぎて深夜まで働いてしまう可能性があります。
仕事の組み立てやスケジューリングなど、テレワークは今まで以上に自己管理が求められる働き方です。
■オンとオフの切り替えが難しい
在宅勤務となると、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまうことがあります。
始業時間・終業時間・休憩時間をきちんと決めてるなど、メリハリをつけて働く必要があります。
■家族の理解が必要
多くの人にとっては、“仕事=会社に行くもの”という印象があるため、家にいることで、暇だと思われてしまうこともあるようです。
会社に行かずに仕事をすること、パソコン1つで仕事が完結するワークスタイルについて、ある程度理解してもらう必要があります。
働き方はどう変化する?
次に、出社日とテレワーク日で、育児をしている女性の1日のスケジュールがどのように変わるのか見てみましょう。
30代女性(事務職)の場合
■出社日
6:30〜7:30【家族と子どもとの時間】
7:30〜8:00【通勤】
8:00〜12:00【会社で勤務】
12:00〜13:00【所定休憩】
13:00〜17:00【会社で勤務】
17:00〜17:30【通勤】
17:30〜18:00【保育園送迎】
18:00〜22:00【家族と子どもとの時間】
■テレワーク日
6:00〜7:00【家族と子どもとの時間】
7:00〜8:00【自己啓発】
8:00〜12:00【在宅勤務】
12:00〜13:00【所定休憩】
13:00〜16:30【在宅勤務】
16:30〜17:00【保育園送迎】
17:00〜20:30【家族と子どもとの時間】
20:30〜21:00【在宅勤務】
21:00〜22:00【自己啓発】
■コメント
「テレワーク日の朝は、出社日よりも30分早く起床し、通勤時に聞いている英会話をまとめて聞くための自己啓発の時間に当てています。夜も30分メール等の確認後、自己啓発の時間としています。
夕方は、出社日よりも1時間早く保育園に迎えに行き、近くの公園で遊ばせることができています」
30代女性(研究・開発職)の場合
■出社日
6:30〜7:30【家族と子どもとの時間】
7:30〜8:00【保育園送迎】
8:00〜9:00【通勤】
9:00〜12:00【会社で勤務】
12:00〜13:00【所定休憩】
13:00〜18:00【会社で勤務】
18:00〜19:00【通勤】
19:00〜20:00【保育園・学童送迎】
20:00〜22:00【家族と子どもとの時間】
■テレワーク日
6:30〜7:30【家族と子どもとの時間】
7:30〜8:00【保育園送迎】
8:00〜12:00【在宅勤務】
12:00〜13:00【所定休憩】
13:00〜15:00【在宅勤務】
15:00〜16:30【保育園・学校行事】
16:30〜18:30【在宅勤務】
18:30〜19:30【保育園・学童送迎】
19:30〜22:00【家族と子どもとの時間】
■コメント
保育園や学校で行事がある日を計画的にテレワーク日としています。午前中は1時間早く仕事を開始し、自分の考えをまとめる時間としています。また、午後は資料を作成する時間とし、研究職として効率的な時間とすることができているので、満足していています。
テレワーク導入前は、平日の子どもの学校行事等に参加することは難しかったのですが、今は業務に支障なく、おおむね参加できています」
プライベートの時間の変化
総務省が行なった「テレワークを利用することで変化したプライベートの時間」についての調査によると、約8割の人が家族と過ごす時間、育児の時間、家事の時間が30分以上増えたと回答しています。
総務省:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/pdf/n4200000.pdf
助成金制度
東京しごと財団では、働き方改革の推進に向けたテレワーク環境の整備や企業における、女性の新規採用・職域拡大を目的とした設備等の整備を支援するため、費用の一部を助成しています。
■助成対象事業者
常時雇用する労働者が2名以上かつ300名以下で都内に本社または事業所をおく中小企業等。※他要件あり
■助成対象事業
女性の新規採用・職域拡大を目的とした設備等の整備
■助成の対象となる費用の例
・トイレ
・更衣室
・休憩室
・シャワー室
・仮眠室
・ベビールーム(子ども連れで出勤した場合の授乳・オムツ替えなどのスペース)
・ロッカー(原則 女性更衣室に設置)
・工事現場に設置される仮設トイレ等の整備費用
■助成金上限・助成率
限度額:500万円助成率:2/3
東京しごと財団:https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/joseikatsuyaku.html
女性の活躍推進への取り組みの現状
エン・ジャパン株式会社が行なった「女性の活躍推進」についての調査によると、女性社員の活躍・定着に取り組んでいるかについては、52%の企業が「取り組んでいる」と回答。
企業規模別でみると「取り組んでいる」と回答したのは、従業員数301名以上は66%。従業員数300名以下は49%という結果となりました。
エン・ジャパン株式会社:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2018/14615.html
まとめ
政府は2020年に女性の管理職比率を30%に引き上げることを目標に掲げています。しかし、「管理職になると仕事とプライベートを両立できなくなる」と考える女性は少なくありません。
女性の活躍推進を考える企業は、働きやすい環境づくりのために、テレワーク導入を検討してみてはいかがでしょうか。