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テレワークが普及しないのはなぜ?【メルカリ、Wantedly、LINEが導入しない理由】

「生産性が向上する」「時間を有効活用できる」など、メリットが多いとされているテレワーク。しかしながら、いまだ導入している企業が少ないのが現状です。希望者は多いのに普及しない理由はなぜなのでしょうか?

日本におけるテレワークの普及率

一般社団法人 日本テレワーク協会の調査によると、週に8時間以上本拠地のオフィスを離れて仕事をしている人は、全労働者約5930万人うち13.3%の約790万人。週1日以上の終日在宅勤務者は、160万人で全労働者の2.7%だということがわかりました。

また、制度としてテレワークを導入している企業は全体の13.3%。大企業での導入率が高く、中小企業での導入率が低い傾向にあることがわかりました。

一般社団法人 日本テレワーク協会:https://kagayakutelework.jp/seminar/2018/pdf/osaka01/imaizumi.pdf

テレワーク希望者は全体の半数以上

20歳から69歳の業務でメールを利用している就業者に対して実施したアンケートでは、「メールと電話を使うことで、週1回程度の在宅勤務ができる
と考えている人は50.1%。

現在は在宅勤務をしていないが、今後利用したい」と考えているも59.1%と、テレワークが可能だと考え、自身も希望をしている人が半数を超えていることがわかりました。

一般社団法人 日本テレワーク協会:https://kagayakutelework.jp/seminar/2018/pdf/tokyo02/nakayama.pdf

テレワークが普及しない理由は?

ニーズは高いのにテレワークが普及しないのはなぜなのでしょうか? 企業側が導入に踏み切れずにいる理由をいくつかピックアップしました。

セキュリティ面の不安

セキュリティ面に不安を感じ、導入に至らない企業が多いようです。テレワークは自宅や外出先で仕事ができるようになるので、セキュリティ対策は必須。そのために、専用のデバイスを用意するなど、多大なコストがかかってしまうことも、導入を躊躇する要因となっています。

コミュニケーション不足になる

上司や同僚と直接顔を合わせて会話をすることがなくなるため、コミュニケーション不足を不安視する声が上がっています。また、それによりうまく連携が取れず、生産性が落ちる可能性も懸念されています。

実際に、米Yahoo!社と米IBM社では、テレワークを導入していましたが、コミュニケーション不足を原因に廃止。このように、導入したものの失敗に終るケースもあります。

勤務実態が把握ができない

自由な時間で働けるというメリットがある一方で、勤務実態が把握しづらいというデメリットがあります。上司は部下の仕事ぶりを見ることができないため、業務プロセスではなく成果主義になりがち。場合によっては評価制度を見直す必要があります。

仕事とプライベートの切り替えが難しい

テレワークでは、自宅で業務をおこなうことが多いため、オンとオフの気持ちの切り替えが難しい場合があります。人によって時間をダラダラと使ってしまい、長時間労働や残業時間の増加につながるのでは?と懸念されています。

テレワークを推奨しない企業も

テレワークのメリットを理解しつつ、あえて推奨していない企業もあります。

メルカリ

フリマアプリ大手の「メルカリ」では、在宅勤務を含むテレワークを原則禁止しています。理由は、コミュニケーションを大切にしているため。同じ場所で意思疎通をしながら働くことで、意識のズレがなく精度の高い仕事ができると考えているからなのだそうです。

Wantedly

ビジネスSNSを提供している「Wantedly」も、テレワークを推奨はしていません。理由は、直接コミュニケーションを取った方が正確に伝わり、トラブルがあった時の処理スピードも早いため。オンラインでコミュニケーションを取っていた時期もありましたが、伝え直しで修正が発生するなど、うまくいかないことが多く、長くは続かなかったそうです。

LINE

コミュニケーションアプリを提供している「LINE」でも、テレワークは推奨しておらず、逆にオフィス環境の充実に重きを置いています。2017年4月、本社を東京都新宿区に移転。分散していたオフィス機能を一箇所に集約させることで、従業員同士のコミュニケーションの活性化と業務効率化を図りました。また、新オフィスは社員が”思わず出社したくなる”ような設備を数多く用意しているそうです。

まとめ

テレワークが注目されているにも関わらず、なかなか普及しないのには理由がありました。テレワークを推奨しない企業があるように、企業の体制やカルチャーによっては不向きな場合もあります。

テレワークはあくまで働き方の選択肢のひとつ。自社にフィットするかどうか、ぜひ一度検討してみてください。

次の記事ではどんな仕事がテレワークに向いているのか、向いていないのかを解説しています。

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