電話ボックスの再来?テレワーク用ボックスとは

オフィスや街角などあらゆる場所に設置でき、その場でウェブ会議に参加できるプライベート空間「テレキューブ」。まるで、かつて街中のいたるところにあった電話ボックスの再来かと思わせられる形状です。

これが、働き方改革を進める新たな働き方「テレワーク」を叶えるツールとして注目され、いま急ピッチで開発が進められています。そこで今回は、令和時代の新たな作業空間として注目を集める、テレキューブについて詳しく解説します。

働き方改革に伴うテレワーク時代の到来

働き方改革が政府を中心に進められているなか、多様な働き方の実現はさまざまな企業や組織にとって喫緊の課題といえます。そんななか注目を集めている働き方にテレワークがあります。テレワークとは、「テレ(離れたところ)」と「ワーク(働く)」とを組み合わせた造語で、IT技術を活用し、場所や時間にとらわれない新しい働き方のことをいいます。

テレワークには労働力の確保や業務の効率化、BCP(緊急事態における事業継続計画)などさまざまな効果が期待されています。テレワークのタイプには大きく3つあり、自宅で仕事をする在宅勤務、勤務地以外のオフィスを利用するサテライトオフィス勤務、移動中の車内やカフェなどを利用するモバイルワークがあります。いずれも時間や場所にとらわれない自由で多様な働き方を実現できるのです。

テレキューブはテレワーク時代の電話ボックス

出典:株式会社テレキューブ

働き方改革にともなって、テレワーク時代を迎えつつあるなか、今回紹介するテレキューブの開発が進められています。テレキューブとは、テレワーク用に開発が進められている電話ボックスのようなかたちの新たな作業用ブースです。

オフィス、駅や空港といった公共スペース、商業施設といったさまざまな場所に設置できます。防音効果の施されたボックス型の小さな部屋になっており、なかには机やイス、ウェブ会議などに利用できるPCが置かれています。個人作業やウェブ会議など向けとしてブースのように使える1人用、打ち合わせや面談場所として小会議室のように使える2人用の2タイプが現在開発されています。

かつて携帯電話がなかった頃、街中にはいたるところに電話ボックスがありました。外回り仕事や出張中に行う進捗や報告は電話ボックスに入って行っていましたが、令和時代の電話ボックス、テレキューブは連絡や進捗だけでなく、さまざまな仕事をする場として復活しています。

テレキューブは、外部や内部の音が漏れないことで、プライベートが確保されるように設計されています。これにより、ウェブ会議やビデオ通話、秘匿性の高い情報を扱う作業をはじめとした、テレワークのための作業スペースして活用されることが期待されているのです。

テレキューブによりテレワーク環境が充実する

テレキューブに期待される効果は大きく2つあります。

ひとつは、静かに作業できるスペースを確保できることです。テレキューブは、防音効果を施されており、外部の雑音が入らないようになっているだけでなく、内部の音声が外に漏れないようになっています。これによって、会議室を取らないといけなかったり、オフィスやカフェ、シェアスペースではしづらかった遠隔でのウェブ会議やビデオ通話による打ち合わせなど、快適にネット通話を行うことができるのです。

もうひとつは、テレワークにおけるセキュリティー面の課題を解決してくれることです。内部の音声や作業中のPCの画面などは、外部に漏れることがないように設計されています。これにより個人情報や機密情報といった秘匿性の高い情報をテレワークでも安全に行うことができるのです。

テレキューブがさまざまな場所に設置されることで、これまで公共空間やシェアスペースなど不特定多数の人が出入りする空間では難しかった、プライベートな作業空間を確保され、テレワークがしやすい環境が整うことが期待されています。

テレキューブはまだまだ普及の途上

テレキューブは、2017年ごろからメディアで取り上げられるようになり、2018年から首都圏にある一部の駅構内や商業施設などに設置されています。しかしテレキューブはまだ開発されたばかりです。テレワークがまだ一般に普及していないいま、テレキューブも広く一般に設置されているとは言えないのが現状です。

働き方改革の定着やテレワークの普及に伴って、働き方改革やテレワークを推進すべき企業のオフィススペース、ビジネスの拠点となるコワーキングスペース、公共スペースとしての駅や空港、ビジネスサービスを展開すべき商業施設といった、さまざまな空間にテレキューブが設置されることが、今後期待されています。

テレワーク時代の到来にテレキューブがアシスト

働き方改革が進められるなかで、柔軟性や自由度の高い新しい働き方に向けた、さまざまな動きが官民問わず行われています。テレワーク時代の到来を目前に控え、開発が進められているボックス型作業スペース、テレキューブ。テレキューブは、テレワークに関するさまざまなニーズに応えるべく、首都圏の一部施設に設置されはじめています。

今後、時間や場所にとらわれないテレワークが広まっていくことで、テレキューブも各地のさまざまな施設に設置していくことが期待されます。外出や出張先でのウェブ会議やネット面談の打ち合わせ場所として、またテレワークでの作業スペースとして、オフィスや公共空間、商業施設などさまざまな場所で、テレキューブを利用するという日常が訪れるかもしれません。

この記事を書いた人

水口 幹之

東京出身。京都市在住。ライター歴6年。書店員の傍ら執筆する、副業ライター。地方創生や旅行などを中心に幅広いジャンルを扱う。京都と東京を拠点にリモートワークで活動中。