地方自治体や政府関係機関からも、テレワークへ関心が高まっている
総務省が全国の地方自治体を対象に実施したアンケート調査によると、テレワークへ関心を持っている自治体の割合は半数を超えているという結果になっています。
その中で実際にテレワークの実施や普及を支援する取組を実施していると回答した自治体は全体の7%程度でしたが、都道府県においては約25%の自治体が「すでに取り組みを推進している」と回答。市・特別区、町、村の順にその割合は少なくなっていきますが、自治体も民間企業同様、テレワークへの関心は年々高まっているようです。
具体的にどんな取り組みをしているの?
では「すでに取り組みを推進している」と回答した25%の都道府県は、具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか?以下に抜粋してみました。
東京都
2017年より在宅型テレワークの導入を提言。執務室以外でも利用可能な軽量端末の配布や、サテライトオフィスの設置など。
また、毎月第3月曜日を「都庁テレワーク・デイ」として、在宅勤務・サテライトオフィス・モバイルワークの活用を推進し、毎月取組み状況を全庁で情報共有するなど、現在まで活動継続しています。
「都庁働き方改革」の推進
4月から時差勤務を拡大、在宅型テレワークを開始します
神奈川県
2017年5月からテレワークを導入。合同庁舎や東京事務所などに、近隣に出張した職員が利用できるサテライトオフィスを用意。
グループウェアの活用や情報のweb共有、ペーパーレス化などのルールを整備し、テレワークに適した環境づくりも積極的に行なっています。テレワークにはいくつか制限が設けられていますが、政府主導のテレワーク・デイズに合わせて範囲拡大のトライアルを実施し、幹部職員が積極的に実施するよう促しています。
大阪府
テレワークの試行実施、サテライトオフィスの利用拡大など。
タブレット端末を用いて、交代で週1回から在宅勤務を試行。Skype等でのミーティングも積極的に採用し、頻度や運用範囲などの運用ルール化に役立てています。また、従来は育児や介護、出張での利用のみに限定されていたサテライトオフィスを、ソロワークや短期の介助も利用範囲に含め、webカメラをを増設するなどより利用しやすく改良しているそうです。
愛媛県
愛媛県庁全職員を対象に、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス利用」を実施。希望する職員に、持ち運び可能な専用パソコンを貸与。
移動可能なパソコンを140台、サテライトオフィスに新たに10台を設置し、庁舎以外でも職場のメールや共有データなどを利用できる環境を整備しています。ネット上での情報共有や、web会議システムの導入も積極的に行い、外部から自席の作業環境とほぼ同じ機能を利用することが可能になっています。
【参考】地方自治体におけるテレワーク導入プロセス
民間企業に比べて「固い」イメージのある地方自治体。テレワークの導入にも堅実なプロセスが求められそうです。総務省から自治体向けの導入プロセスのガイドラインが提示されていました。
現状把握に始まり、諸制度やルールの策定、試行導入、効果測定を経ての本格導入と、地方自治体であっても民間企業であっても基本的なプロセスに変わりはないようです。資料には青森県での実証実験事例も紹介されています。ぜひご参考に。
行政から民間企業へは、テレワーク導入のための助成金を含む様々な支援制度があります。次の記事で詳しく解説していますよ。