東京都でテレワークを導入するには? 〜都のテレワーク推進支援施策まとめ

東京オリンピックでますます注目を浴びるテレワーク

いよいよ2020年7月23日、東京オリンピックが開催されます。オリンピック期間中の東京には世界中からの観光客が詰めかけると予想され、特に現在1日あたりの乗降者数が平均850万人とされている東京メトロ・都営地下鉄は、乗客数が10%以上も増える可能性が示唆されています。

この交通混雑を緩和して、都市機能を維持するため、会社に出社しなくて良いテレワークは有効な手段のひとつです。

2012年に開催されたロンドンオリンピックでは、政府の呼びかけにより、ロンドン市内の約8割の企業がテレワークを実施し、交通混乱を回避したそうです。この前例に慣い、東京都では、テレワークや時差出勤、フレックス勤務により朝の満員電車を解消する「時差Biz」の呼びかけや、2017年から東京オリンピックの開会式にあたる7月24日に「テレワーク・デイ」を実施するなど施策を講じ、広く企業に参加を求めてきました。その成果はどうだったのでしょうか?

東京都のテレワーク導入率は?

2019年11月5日に発表された東京都産業労働局の資料によると、東京でテレワークを導入している企業は全体の25.1%(速報値)となっています。平成30年度の19.2%に比べると、約6ポイントの上昇です。ちなみに東京都が目標とする、2020年度(令和2年度)の従業員30人以上の都内企業のテレワーク導入率は「35%」。あと1年で10ポイントの上昇が求められています。

さらに総務省の発表(2019 「平成30年通信利用動向調査 (企業編)」)を基に、視点を企業規模に変えて見ると、従業員数300人未満の企業の導入率が14.4%なのに対し、2000人以上の企業では46.6%と、規模が大きいほど導入が進んでいる傾向にあるようです。

参考資料:総務省「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」

東京都のテレワーク推進支援施策を利用しよう

様々な社会の状況による後押しもあり、今後テレワークはますます推進傾向にななるでしょう。テレワークはオリンピック時の混雑緩和だけでなく、通勤時間の短縮や、より幅広い人材を確保できることなど、今後長期的に見ても、社会全体の生産性を向上することに貢献できると予想されます。

特に東京都では、数々のテレワーク推進支援が確立されています。対象となる企業は、どんどん利用してより柔軟に、効率よく働けるように考えてみてはいかがでしょうか?

1. 東京テレワーク推進センター

平成29年7月24日に開設された、テレワークに関するサービスをワンストップで行う日本初の施設です。テレワーク導入に必要な製品やサービスの比較検討、テレワーク導入企業の事例紹介や関連書籍の閲覧が可能で、コンシェルジュによる相談窓口も設置されています。

東京テレワーク推進センター

2. テレワーク体験セミナー

導入のメリットの理解や機器の操作を通じて、テレワークによる働き方の体験ができるセミナーが、都内各地で年26回実施されます。また、業界ごとの課題や状況を踏まえた、業界別体験型セミナーも企画されています。

テレワークセミナー開催予定
テレワーク体験セミナー開催予定

3. ワークスタイル変革コンサルティング

都内のテレワーク導入を目指す中堅・中小企業を対象に、人事、ICT、業務改革等の専門知識を有するコンサルタントを派遣。テレワーク導入の前提として必要となる業務内容の見直しや、業務プロセスの整理、ペーパレス化などの改善策を提案し、試行等を支援します。

東京都産業労働局:ワークスタイル変革コンサルティング

4. はじめてテレワーク

上記のテレワーク導入コンサルティングを受けた企業は、テレワークのための環境構築や制度整備にかかる経費に補助金を受けることができます

補助限度額(補助率10/10)
従業員数300~999人の企業 110万円
従業員数100~299人の企業 70万円
従業員数100人未満の企業 40万円

ワークスタイル変革コンサルティング:関連助成金について

5. テレワーク活用・働く女性応援助成金

従業員1,000人未満の中堅・中小企業を対象に、テレワークの機器導入経費・サテライトオフィスの利用料の助成金を受けることができます。補助の限度額は 各250万円まで(補助率1/2)となっています。

テレワーク活用・働く女性応援助成金のご案内

導入事例などの情報も導入環境の整備計画に有効

都は、テレワーク推進と共に、いち早く導入した企業の事例紹介(テレワーク推進ネットワーク)や推進イベント(テレワーク月間・テレワークデイズ)、成果の著しい企業への表彰(テレワーク先駆者百選・テレワーク推進賞)なども行なっています。情報は随時更新されていますので、こちらも参考にすると良さそうです。

テレワーク推進企業ネットワーク

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この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。