とりあえず始めたリモートワーク、定着させるには?

リモートワークに慣れてきた…継続させるために必要なことは?

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、急遽リモートワークを導入する会社が増えてきています。何はともかくやってみて、意外と慣れてきた…という方も多いかもしれません。

リモートワークは、この社会状況が打破され日常が戻った後も、柔軟な働き方のために継続させる価値があります。病気・介護・育児などなどオフィスに出勤できない状況に陥る場面は、この先誰でも・いつでも訪れる可能性があり、リモートワークの仕組み作りがしっかりしていれば、より多くの人が効率よく仕事を続けることができるのです

では「とりあえず始めた」リモートワークをしっかり継続し、より強固なシステムとして完成させるために必要なことはなんでしょうか?

1. 評価制度の見直し

リモートワークを続けていくには、評価体制を見直し、より適切に評価できるようにする必要があります。従来通り評価基準に「労働時間」が含まれてしまうと、それを可視化しづらいリモートワーカーがどうしても不利になってしまいます。また、「不利になってしまう」という懸念が生産性の低下に繋がる恐れも…。

リモートワークでの労働に対して適切な評価を与えるためには、より「生産性」に特化した評価基準にシフトすることが必要です。「成果を出すためにどれだけ働いたか」ではなく、「働いた時間に対してどれだけの成果があるか」。この「時間対成果」での評価に変えていくためには、きちんとした成果の定義と、改めて自分が実際に働いている時間がどれくらいなのかを把握することが大切になってきます。F-Chair+のような時間を可視化するツールを導入し、把握すると良いでしょう。

時間ではなく成果に評価基準をシフトすることは、オフィスワーカーの生産性をより適切に評価し、無駄をなくす指針にもなります

2.コミュニケーション対策

リモートワーク無理なく長く続けるために大切なことのひとつが「孤独対策」です。オフィスを離れ、自宅やコワーキングスペースなどで一日中誰とも話さずに黙々と作業をする日々は、思っているよりもずっと心に負担を強いられることになります。

場所が離れていても、チームはチーム。しかし常に同じ空間にいて、気軽に話しかけられない状況では、どうしても人は孤独を感じやすくなってしまいます。そこで有効なのが「雑談」を意識すること。社内のSNSやチャットに、誰もが好きなことをつぶやけるチャンネルを設けて、「自分が何を思っているか」「今何をしているか」を書き込んでいく習慣をつけるようにしましょう

ひとりひとりが饒舌になればなるほど「雑談」のタイムラインは活性化し、賑やかになります。仕事に関することだけではなく、もっと漠然とした気持ちやアイディア、そこから生まれる会話が積み重なっていけば、お互いの物理的な姿が見えなくても、チームの絆を強固にすることができるでしょう。

3.労災は?経費は?…社内制度の見直し

リモートワークを始めると、「足りないもの」が見えてきます。その筆頭に上がるのが制度です。社内規定にリモートワークが想定されていない会社がほとんではないでしょうか?

「リモートワーク中に転んで怪我をしてしまった」「リモートワークのために〇〇を買った」「自宅にインターネット回線がなかったので契約した」などなど、想像していなかった事態が次々に起こります。それらをどこまで・どのように補償するのかを考え、規定に加えていく必要があります。

実践していく中で起こる問題を丁寧に解決しながら、労務規定など柔軟に見直していきましょう。

4.「労働場所」の見直し

実は「労働する場所」も問題になりやすい事項です。家が狭くてワークスペースを確保できない・ノマドスタイルで働きたいなど、こちらもリモートワークをやってみて初めて様々な意見が噴出してくるでしょう。

例えばサテライトオフィスを会社として設置する、ある程度のカフェ代やコワーキングスペースの利用料を経費として認めるなど、「何を」「どこまで」認めるか、メンバーが働きやすい環境を常に整えるためにきちんと決めておく必要がありますね。

5.使用するツールの決定

リモートワーカーたちをつなぐために、web会議ツールや情報共有に関するツールなどは必要不可欠です。リモートワーク黎明期に色々トライアルしてみれば、使いやすい・値段に見合ったツールがどれかがわかってくるでしょう。そこでチームごとになんとなくバラバラのツールを使い続けるのではなく、なるべく多くの人に使いやすいツールを選んで、社内で統一することをおすすめします。

そのために、トライアルしたツールの長所・短所を記録し、どんなツールが必要か・どれを使うかなど社内で議論する機会を設けることにしましょう。

この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。