どうもこんにちは。しくみ製作所 開発の豊川です。
コロナ禍となってから丸1年が過ぎようとしていますが、世の中はこの1年で大きく様変わりしたと思います。働き方がリモートにガコンと一気に移行した年でもありますが、他に「イベント」業界では大きな変革を強いられたようです。
実は、弊社しくみ製作所では、このイベント業界のオンライン化に際し、大規模オンラインイベント向けツール「reBako(リバコ)」というものを昨年9月にリリースしておりました。
reBakoの詳細は下記のページをご覧ください。
https://landing.rebako.io
今回はこちらのツールの宣伝をしたい気持ちを胸にしまい込み、昨年末、弊社にて「オンラインオフ会」を実施した、そちらの様子をお届けしたいと思います。私豊川が参加者目線で感じた「オンラインイベント成功における重要なポイント」をお伝えいたします。
オンラインオフ会とは?
本題に入る前に「オンラインオフ会」について少し説明をいたします。しくみ製作所は、2014年の創業当初から全社員がリモートワークで働いているのですが、半年に1度全社員がオフラインで顔合わせや懇親会を行う、通称「オフ会」というイベントを開催していました。
しかしながら、コロナウィルスの影響で開催を自粛することとなり、会社の一大イベントを行うことができなくなってしまいました。そんな状況下で自社サービス「reBako」のリリースもあり、社内からの「オンラインでどうにか実施できないか」という声を受け、今回の「オンラインオフ会」の企画が立ち上がりました。
「オンラインオフ会」という響きが「トゲナシトゲトゲ」みたいなどっちやねん感はさておき、この「オンラインオフ会」が参加者として非常に楽しめたものとなり、「オフラインにも勝る、今後の会社の新定番にしても良いのではないか」と思わせてくれる大変素晴らしいイベントとなりました。
なぜ楽しかったのだろう?
さて、では豊川は、なぜこのオンラインイベントにここまで楽しさを感じられたのでしょうか?
色々と当時の状況を思い返してみたところ、下記の3つの要素に分解することが出来ました。
- オンラインに適した人数構成だった
- 環境や情報の同期性が高かった
- 席替えの方法が秀逸だった
それぞれについて説明をしていきます。
オンラインに適した人数構成だった
まずはわかりやすいところからご説明します。
今回のイベント会場がこちら。
ご覧の通り4人席が各箇所に並べられた作りになっていました。この4人というのが絶妙な人数でした。
オンラインで会話を行う際の参加人数は、実は重要になってきます。コロナによりリモート環境が浸透してきている今では、皆さんも感じられているかと思いますが、オンラインにおいて人数は増えれば増える程、会話はしづらくなります。
オフラインでの飲み会の10人席をイメージしていただくと、物理的に10人がそこに座ることはあっても、その中で結果的にグループが分かれて会話が繰り広げられることがほとんどだと思います。
しかしながら、オンライン飲み会で10人が一堂に会した場合、悲惨なことが起こります。具体的には10人全員が同じ話題で話さなければならない状況が作られてしまい、実質的に会話に参加できるのは2〜3人で、残りの人は沈黙しながら発言できないまま、なんとも言えない空気が漂い始めます。
弊社はリモート7年生なので、当然ながらそういった苦い経験は十分なほど積んできました(笑)。そんなこともあり、今回のイベントは最大でも4人という人数設定がとてもよかったと思っています。
会話が独占されることもなければ、会話が途切れることもない、改めて4人というのが飲み会においてはちょうどよい人数なんだろうなぁと感じました。
ここに関してはみなさんも簡単に真似ることができると思うので、是非試してみてください。
環境や情報の同期性が高かった
さて、続いては少し話が難しくなりますが、環境や情報の同期性が高いことでオンラインイベントの満足度が上がることがわかりました。
具体的には下記のようなことがイベント内で同期されていました。
- 服装
- 食事
- 体験(動画)
一つ一つ丁寧に説明していこうと思います。
1. 服装
今回のイベントに際して、下記のパーカーを事前注文することが企画側から求められました。
可愛らしいデザインで5種類の色から選べるようになっています。ちなみに、なぜ色違いが存在するのかは後ほどご説明します。
このパーカーを見た時点で既にワクワク感は高かったのですが、当日の体験の中でも同じ服装で参加する、ということの重要性を強く感じられました。
シンプルにロゴが可愛いいので服装自体が話題になりやすいのですが、それはさておき、言葉では言い表しづらいですが、服装を合わせることで同じ場所に居合わせているような親近感が生まれたような気がします。
イベントでドレスコードが決まっていたり、はたまたバイトでユニフォームを着たり、このあたりに通ずるものがあるのかもしれません。
ここに関してはもう少し探求してみたいと思います。
2. 食事
服装に続き、食事も統一していました。具体的にはnonpiというオンライン飲み会専用のフードサービスを利用していました。余談ですが、nonpiさんの食事はクオリティが高くとても美味しかったです!
この食事の統一というのがオンラインにおいては非常に重要に感じられました。「〇〇美味しいですよ」「これもうまいっすね」というような会話が発生したのですが、このコミュニケーションを取れるのが大きいと感じました。
リモートで仕事をしているとちょくちょく出くわすのが「代名詞使えない問題」です。具体的には、何か共同作業をしている時に「あれ」とか「それ」とか「ここ」といった代名詞が使えない場面が多々あります。会話している相手や自分からすると「どれやねん」という感情が生まれます。
そのためリモートでは無意識の内に代名詞を使わない(とはいえ使えないストレスは感じる)様になります。
これがオフラインとオンラインの大きな壁の1つなのですが、食事の統一を図ることで一時的に排除されます。感覚でしか語れないのが辛いところですが、食事に関しての会話をしている際は、オフラインで食事をしているのと錯覚するくらい自然なコミュニケーションが図れていました。
正直コスト面で行くと同じ食事を共有するだけのお金は必要となりますが、サービスによってはもう少し控えめにできるものもありますし、むしろオンラインで飲み会をするのであれば払ってもいいコストなのかなぁと豊川は感じました。(オフで飲んだら飲んだでそれなりにお金かかりますからね)
3. 体験(動画)
体験についてもうまいこと共有されるような作りとなっていました。(幹事さん素晴らしかった!)
具体的にはYouTube Liveの生配信を見ながらコミュニケーションを図るような作りとなっていました。司会者が進行を進めながら、途中に代表が今後の会社の方針を話したり、はたまたお楽しみコンテンツがあったりと、様々なプログラムをYouTube Liveを介して配信していました。
この時も同じ席にいるメンバー同士で動画に対しての感想を話題にしながら会話が繰り広げられていました。社員総会をやるような企業の方々だとイメージがつきやすいと思いますが、円卓を囲みながら会場のステージにて様々なコンテンツが展開される、あの感覚をオンラインで再現していました。
食事の時と同様に、同じコンテンツに対して各々が感想をリアルタイムに交わせる環境が、よりオフラインのイベントに近いと感じることができたと思います。
席替え方法が秀逸だった
ここまでの内容を一旦おさらいすると、最大4人席で同期性を持ったコンテンツによってイベントの満足度は高まる、ということがご理解いただけたかと思います。
さて、長時間のイベントにおいてもう1点忘れてはいけないのが席替えです。ここまで完璧な運営がなされている状態なのですが、やはり同じ人と長時間話し続けるにも限界はあります。
今回のイベントでも席替えタイムがあったのですが、この席替えが非常に秀逸だったので、最後に参考までにご紹介をさせていただければと思います。
何をやったか?
結論から言うと「参加者が目的地を認識できるように促す」ことを徹底していました。
なんだかわかりにくいですね。もう少し具体的に説明していきます。
今回のイベントの中で何度か席替えが行われたのですが、代表的な席替えの方法として「自分が着ているパーカーのロゴと同じ色のテーブルに移動してください」というものがありました。(先程話題に上げたパーカーの色分けの伏線はここで回収されたわけですね)
この支持をもらった参加者は迷わず自分の着ているパーカーと同じ色の席に移動することが出来ました。意外と見過ごされがちなのですが、参加者にある程度の自由をもたせながらも目的地を指定してあげる、この幹事側の気遣いは非常に重要だと感じました。
これが仮に「自由に移動してください」という支持だった場合、今回の様な複数のテーブルが乱立するような会場では、なかなか参加者自らの意思で、座るテーブルを決めることは難しいと思います。また、そういった細かいところでのストレスからイベントの満足度は下がりがちです。
その他にも「アンケート形式」で「次のオフ会開催時に行きたい場所はどこですか?」と言った投げかけにて席替えを促していましたが、非常に考えられているなと感じました。
先程の移動がしやすいというメリットの他にも、移動した先で一緒になった人は同じ回答を持った人になるので、その回答について話題が広がります。
今回の様な形式が正解というわけではないですが、先程も挙げたような参加者主導の「自由移動」ではなく、ある程度運営側がコントロールしつつ、参加者にも自由度を与えるような席替え方法を実施することで、参加者の満足度は高まるのだと実感することができました。
まとめ
私自身、イベントは「圧倒的にオフライン派」だったのですが、このオンラインオフ会を体験し、「オンラインでもオフライン同様の楽しさを味わうことができる」ことを知りました。
reBakoでオンラインイベント開催を推進する立場として、オフラインで楽しいと感じている物事を要素分解して、それをオンラインのイベントで試してみるというアプローチは今後も継続していけたらと思います。その上で発見があればまた皆さんに共有させていただきます。
なお、今回の記事がオンラインイベントを実施する際の参考になれば嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします!
この記事を書いた人
豊川 雄太
40名弱の全社員が完全リモートワークの会社「しくみ製作所」にて、Webエンジニア 兼 採用担当 兼広報担当として多方面で活動中。趣味は週4でジム通い。