リモートワークラボ

ある子育てリモートワーカーの1日〜リモートワークと家族②

自宅でのテレワークで問題になりやすいのは、家族との関係。ワークスペースの取り合い、ちょいちょい挟まる家庭の雑事、家事や育児の分担や食事問題などなど家族にまつわるやりづらさとどう折り合いをつけるのかが課題ですね。

筆者の家でもリモートワーカーが2人常駐しています。さらに常に絶好調の小学生と幼稚園児。加えて老猫2匹の大所帯。今回は小学生と幼稚園児、この2人とリモートワーカーの付き合い方について、我が家の例を提示してみたいと思います。

参考例:ある日のタイムスケジュール

6:50 起床・朝食

朝食の制作担当は夫。長男は早起き体質。筆者と次男がギリギリまで寝ています。

7:30 長男登校

小学校までは徒歩20分ちょっと。長男はこの時間に家を飛び出します。次男は貴族ですので朝食は優雅に時間をかけて食します。春から小学生なのですが、果たして長男と一緒に家を出ることができるのか、今から頭が痛い。

8:15 次男登園

次男の通う幼稚園は、進学予定の小学校のさらに先に位置しています。毎日バスが迎えに来て運んでくれます。ほぼ給食ですが、まれに発生するお弁当イベントの折にはこの時間までに制作が必要です。バス停までの送りは夫が担当。

筆者は長男の登校から始業までの間に各所の掃除や食洗機のサポート、身支度などをやったりやらなかったりします。

9:00 始業

珈琲を淹れて業務開始です。リモートワーカー2人はそれぞれ少し離れたデスクで仕事にかかります。ここから執拗に邪魔をする老猫との攻防戦や、バラバラにやってくる宅配業者たちをさばく作業などが随時発生します。

10:00 役員業務で幼稚園へ

毎日ではありませんが、今年は幼稚園で役員をやっていたので、なんやかやと園へ出向く機会がありました。コロナ禍でだいぶその頻度は減りましたが、代わりにweb会議が増えました。小学校でPTA役員など担った場合も同様の頻度で業務が発生します。夫は打ち合わせの多い仕事なので、学校や幼稚園から発生する業務については比較的自由の利く筆者が担当しています。

12:00 昼食

リモートワーカー2人は時間が合う場合は同じ時間に、各々好きなものを食します。残り物やレトルトが大半ですが、たまに調理が必要なものが食べたくなった場合は2人分作ります。非常にまれですが外食することも。

13:00 仕事再開

昼食は15分ほどで済ませて、すぐに午後の仕事にかかる場合も多いですが、理想は1時間くらい休憩を取りたいものです。運動不足が気になりますので、散歩がてら夕食の食材を買いに出ることもあります。

午後になると老猫たちがお気に入りの寝ぐらに入りますので、作業の邪魔はほぼされません。油断しているとすぐに嵐のような小学生が帰宅してしまうので、ここで集中して業務をこなします。

15:00 長男帰宅

時程によって多少のばらつきがありますが、長男(小2)はこの時間に帰宅することが最も多いです。

ドアをばーん!ランドセルをドーン!という鉄板の小学生ムーブを見せつつそのまま遊びに行ってしまうこともあります。そうなってしまうと17時まで帰ってきませんので楽ですが、そこは習い事に忙しい現代小学生。みんな出払ってしまって遊び相手がいない日も多く、そのまま宿題→家でひとり遊びという日が週の半分くらい。ちなみに長男はノー習い事の自由人です。

15:10 雷を落とす

遊びに行く予定もないのに、ドアをばーん!ランドセルをドーン!の後音がしないのは、そのまま寝っ転がっている証拠です。ここで雷を落として片付けをやらせます。このように長男が帰ってきた瞬間からなんとなく耳をそば立てることになりますので、集中できません。仕事のペースは急速に落ちます。

15:30 家庭学習及び宿題開始

たらたら片付けをした後、宿題の開始です。宿題はそれほど分量は多くありませんが、大抵その日学習した単元の復習をするためのプリントや、テストの間違いなおしなど何かしら課されています。2020年4月に発生した休校期間に契約したタブレット教材の月謝がもったいないので、5分ほどで終わる課題もひとつふたつこなしてもらっています。文句は言いますがやるんだから偉い。そこを褒めちぎって伸ばすのが親の役目…。

15:35 呼び出し①

伝家の宝刀「お母さんこれわかんない」を開始5分で抜いてきます。夫が打ち合わせ中でない場合は「お父さんこれわかんない」も繰り出します。どちらか手が空いている方が対応します。なぜこんなにわからない問題が多いのだ君は。

15:45 呼び出し②

「お母さんこれわかんない」は断続的に繰り返され、結局長男の隣にパソコンを持ってきてつきっきりになる日も少なくありません。自分で学習するということの難しさを痛感します。ついでにおやつを要求される場合もあります。

16:10 仕事再開

なんとか学習を終えて、筆者も仕事を再開します。長男はもう「一緒に遊んでくれ」とは言わないので、自由時間になれば適当に過ごしてくれてかなり楽になりました。そうは言っても自由にテレビを観たりゲームをしたりレゴを組み立てたりと、狭い家ゆえに音が気になることが多いので、ヘッドフォンで耳に蓋をすることは必須です。終業時間までジリジリと仕事。

17:00 終業・次男お迎え出発・夕食制作開始

我が家では17:00を一応の終業時間としています。1時間ほどずれ込む場合もありますが、まれです。どうしても残業しなければならない場合は子供が寝静まってから。

次男は毎日幼稚園の預かり保育にいますので、これを夫が迎えに行きます。筆者はその間に夕食の準備。長男が下校後すぐに遊びに行っていた場合は、この時間に帰宅して宿題・家庭学習(適宜)となります。その場合のサポート業務もこの時間に発生。夕食のクオリティはそこらへんの事情に左右されます。

これにて本日終了。お疲れ様でした。

「小1の壁」をどう乗り切るか

保育園や幼稚園ではそこに所属する全員がある程度の時間まで預かってもらえましたが、小学校に上がって同じような恩恵を受けるためには、新たに学童保育クラブに所属しなければなりません。これは地域によって形態が実にさまざまで、預かり時間が短い、環境がよろしくない、そもそも定員が少なくて入れないなど、なかなか一筋縄では行きません。俗に「小1の壁」と呼ばれる問題のひとつですね。

筆者の長男は、入学して最初の頃こそ学童に行ってくれていましたが、人が多く落ち着かないのが嫌だったのか、半年持たずに拒否するようになってしまいました。小学生の「行きたくない」は幼稚園児の頃より強固で信念がありますので、宥めすかして行かせるということもうまく行かず今に至ります。

学年が上がってくると学童保育よりも家で過ごしたいと思う子は多くなるようで、周囲の共働き家庭でも、鍵を渡して年上の兄弟と一緒に留守番してもらう家庭や、1人で家に滞在する時間を減らすために、下校したらすぐに習い事に行ってもらい、そちらへ会社帰りに迎えに行くという家庭もあります。学童行きたくない系のお子さんをお持ちの家庭はそれぞれに工夫しつつ、子供の自立心にも期待しつつ回しているという印象です。

基本的に家にいることができる筆者ですが、やはり子供の相手をしながら仕事をするのはなかなか辛いもの。幼児の頃に比べたらグッと手はかからなくなりましたが、こればかりは本人の成長を待ちつつなんとか折り合いをつける意外に手立てはなさそうです。ここに今年小学校に上がる次男が加わると思うと震えますが。

子供もブロックは難しい。でも成長はする。

子供が幼いうちは、なかなか自分のペースで仕事を進めるのは難しいものです。それでも子供は成長します。子供だけで遊ぶことを覚え、自分のことも少しずつ自分でやるようになり、デスクに向かう親の姿を見て「ちょっと放っておいてやろう」と気を遣ってくれるようにもなります。だがそれまでが長い。

それでもなんとか仕事と生活を回すために、家族で協力し、手を抜き、然るべきところに課金しつつ頑張ろうと思います。子持ちリモートワーカーのみなさん、ぜひ一緒にがんばりましょう。

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