ひとりひとりがストレスなく、ベストのパフォーマンスを発揮できる環境を求めて 〜 株式会社effective

リモートワークをもっと当たり前の社会にするために、「リモートワークは普通!」になっている会社を紹介していきます。今回は、株式会社effective様にお話をお聞きしました。

コロナ禍を機にリモートワークを導入する会社が近年増えていますが、effective様はその以前からリモートワークに関心が高かったそうです。「ひとりひとりが能力を発揮できる環境で」という信念でリモートワークもオフィス勤務も自由に選べるスタイル。コミュニケーションをどう活かすか、ツールの使い方やあえて縮小した事務所をどう使うかなど、現在進行形の仕事スタイルについてお話しくださいました。

リモートワークラボを運営する株式会社ソニックガーデンでは、仮想オフィスツール「Remotty」を開発しています。effective様には今回Remottyを導入して頂き、その使い勝手やRemottyを使ったリモートワークの様子などについてもお話いただいています。


磯貝 重之

磯貝 重之いそがい しげゆき

株式会社effective 取締役CTO
1980年3月生まれ。東京都港区出身。
2004年メーカー向け開発企業にてソフトウェアの設計開発を担当しながら教育課にて100人程度のシステム開発教育に携わる。その後、金融SIerにて大規模開発の中心者として従事。2015年に株式会社effectiveの取締役CTOに就任。

より自由にフットワーク軽く働くために、事務所を縮小

本日はありがとうございます。早速ですが、御社の事業を簡単にご紹介いただけますか?

磯貝

2014年に設立しまして、現在7期目になります。基本的にはソフトウェア開発の受託事業と自社事業、この2軸で展開しております。お客様もさまざまでして、電通さんやマイナビさん、それから直近でお仕事させていただいたのは東映さん、『エヴァンゲリオン』シリーズで知られる株式会社カラーさん、住宅系の新日本建物さん、アパレル系からワールドモードホールディングスさんなど、業界は本当に多岐に渡っております。特に『エヴァンゲリオン』に関しては、スマホアプリ開発メインですけどもアプリの企画も含めて色々入らせてもらったので、話題になってくれると嬉しいです。
システム以外の専門領域をお持ちのお客様が多いですね。「システムってどうやって作るんですか?」という入り口から、ニーズを聞き取って形を作って、運用するところまで持っていきます。

なるほどなるほど。

磯貝

他にジョイントベンチャーという形で、行政手続きとテクノロジーを繋いだ「株式会社G-Tech」、IoTやfintechなどの先端領域を活かした「株式会社greenhill」を作りました。リファラルマーケティングの「Letters」という会社にも出資していますね。

幅が広いですね。ではその中心となるeffectiveさんとしては、現在は何名でやってらっしゃるんですか?

磯貝

コアメンバーは5名ほどです。そこにパートナーのエンジニアさんを都度入れてチームアップします。入れ替えは常にあるんですが、全体で大体20名ほどですね。

なるほど。リモートワークを導入した時期やきっかけについてお聞かせいただけますか?

磯貝

もともと会社自体は自由な社風だったんです。もっとエンジニアがストレスを抱えることなく能力を発揮できる環境にしたい、それならリモートがいいメンバーはリモートで、事務所の方が集中できるという人は事務所を使う、それでいいじゃないか、そういう考えがありました。

最近はコロナ禍(2020年)に際してリモートワークを導入する会社さんが増えているんですが、それ以前からご興味があった、ということですね。

磯貝

そういうことです。最初は事務所自体が結構広くて20人くらい入れたんです。だからみんなそこに出社してもらって、必要に応じてLINEやZoomを使用する、というスタイルだったんですが、ちょうどコロナ禍に入るタイミングで事務所を引っ越しました。会社としてリモートメインでフットワーク軽く動かせるようにしたいという気持ちで、あえて以前より狭い場所にしました。将来的には、例えば海外のエンジニアや地方での人材探しもしてみたい、私自身も地方に住んで仕事してみたい、そういう自由度がある会社にしたかったんですよね。

いいですね。

磯貝

ただやってみたものの、やっぱり働いている姿が見えない。進捗は見えるんですけど、今声をかけていいものかどうか、そういうやりとりのし辛さを感じました。リモートとはいえコミュニケーションは当然必要ですよね。それまでは人数が少なかったので、かなり密なコミュニケーションがあったんですけど、仕事によってはもっと規模の大きなチームでやることもあります。その中では今までのように親密な関係ができていないメンバーと一緒に仕事するようなことも増えてきて、改めてコミュニケーションが課題になってしまったんです。Zoomとかを使ってずっとつながり続けるという方法もありましたが、データ通信量がかさんでしまうという方もいますし、あまり効率的じゃないなと。そこでいくつかサービスを試した結果、ソニックガーデンさん(リモートワークラボの運営をしている株式会社ソニックガーデン)が開発するRemottyを導入することになりました。「2分に1回の写真共有」と「メッセージのやりとり」、これで十分だったんです。

Remotty以外にもいくつかバーチャルオフィスツールをお試ししてみたんですか?

磯貝

ええ、そうですね。調べたり、エンジニアに「なんか良さそうなのある?」って聞いてみたりして…。アバターに変換して動かすものとかもありましたね。

アイコンが動くとかアバターが動くとか、ありますよね。

磯貝

そういうのも使ってみました。でもそれでPCのスペックを使っちゃって動きが重たくなっちゃうんですよね。それを考えるとRemottyは本当に丁度よかった。プロジェクト単位では、Backlogとかチャットワークとかのコミュニケーションツールは以前から使っていたんです。それはそれで使いながら、事務所の代わりになるものが欲しかったので。

ありがとうございます。

仕事の話と雑談はツールを分けてログを追いやすく

effective様では、仕事中は常にRemottyにログイン。上手に活用されているようで嬉しいです。
仕事中は常にRemottyにログイン。雑談も活発だそうです。

導入するまでに試行錯誤や新たな課題の浮上など、エピソードがあればお聞かせください。

磯貝

うーん、導入に関しては思った以上にスムーズでしたね。使い方に難しいことがあんまりないところ、これがすごくよかったです。定期的に画像は撮られますが、カメラがずっとオンになっているわけではないので、足枷になることもなく。

エンジニアの方が多いので、使い方のあたりは特にスムーズでしょうね。

磯貝

あっ、でもカメラの点で言うと、男性はほぼ抵抗がなかったですが、女性はやっぱり少し気になるようでしたね。お化粧をいちいちしなければならないのかという問題が浮上したので…。結局カメラをオフにしてもいいとしました。離席しているか在席しているかだけがわかればいいんです。声のかけやすさが大切だったので。

そんなふうに、他にも約束事のようなものはありますか?

磯貝

ルールとしては、「仕事してる間はつけておいてください」ということを最初にお願いしました。時間で縛る気持ちはないんですが、基準のひとつとして出退勤記録のような意味ですね。それ以外は特にないですね。メンバー同士好き勝手にいろんな話してますよ。

みなさんよくお話しなさってるんですね!リモートになると、結構雑談へのハードルが高いとおっしゃるお客様が多いんです。もともと事務所にいた頃からそういうやりとりが密だったというか、雑談する文化があったということですか?

磯貝

ああそうかもしれないですね。僕自身も、堅苦しくしてもしょうがないと思う方なので、例えば「プレイステーション5が全然売ってない!」とかなんでもないことつぶやくんです。そうやってつぶやきを発信すると、「どこどこで予約開始してますよ!」みたいに返事してくれますね。ごく普通の「電車遅れてるんでちょっと遅れます」みたいな連絡だけじゃなくて、冗談言い合ったりとか、そういうやりとりも頻繁に交わします。

先ほどチャットワークなどのツールも使っているというお話がありましたが、その辺りとRemottyの使い分けはどのようにしていらっしゃるんですか?

磯貝

そうですね、業務に関する会話はログも必要ですしファイルのやり取りもあるので、あんまり雑談しにくいんですよね。記録としてまとめておきたいんです。そういったものと、ログが流れても問題ないようなもの、例えばふと浮かんだアイディアや先程の雑談ですね、もっと自由な意見交換とか、そういうものをRemottyに流すようにしています。使い分けは徹底してますね。逆に言うと、つい流れでプロジェクトに関する会話をRemotty内でしてしまって、いやこれ以上はここではやめましょう、ということが…。

うっかりRemottyで書いちゃうと、後が大変。

磯貝

ええ。それをやってしまうと、ログを追っかけるのが難しくなったりするので。

ひとりひとりがベストのパフォーマンスを発揮できる環境に

今後物理的な事務所の用途はどのようにしていく方針ですか?

磯貝

私自身もそうなんですけど、家庭があって子供がいたりするとどうしても集中できないという問題があります。そういう人は集中して仕事できる場として事務所を使ってもらっていいと思います。もちろん他のさまざまな理由であえて事務所に出勤したいという人もそうですね。あと、今インターンの子がいるんですけど、インターンは自宅だと本当に何やっていいかわからないと思うので…。そういう風に、みんなが仕事のできる場所を提供している感じですね。

「毎日必ず来なければならない場所」っていうベースはもうできるだけ排除したいと思っています。そうは言っても実際みんな来てますけど(笑)。

事務所はあくまでワークスペース。好きな場所で働けるのは嬉しいですよね。
「毎日来なければならない場所」ではなく、有効なワークスペースとしての事務所。

そうなんですね(笑)。

磯貝

リモートでやってるメンバーもいるんですけど、半分以上は来てますね(笑)。あとは週2で事務所に来て、あとはリモートで、というメンバーもいます。

自由だ。自分のスタイルを選べるのはいいですね。Remottyで…ツール上で雑談を積極的にしていると、その分事務所にいても静かだったりします? もはや声には出さない、みたいな。

磯貝

多分IT業界あるあるなのかもしれないですけど、事務所で隣同士に座っていてもチャットでやり取りするのって、割と昔からやってることだと思うんですよ。僕もいくつか会社を渡り歩いているんですけど、どこでもそういうのありましたね。私はどちらかというと喋る方なので、事務所にいる時はぺちゃくちゃ喋ってます。でもオンラインでも喋る(笑)。だから事務所も異常に静かって感じでもなく、普通に音楽流したり、声かけあったりしてるかな。
Remottyでの会話も、ちゃんと話しかけられた時に通知が上がるし、どちらも丁度よくやってます。不自由なく。

ありがとうございます。では今後もリモートワークは積極的に使っていく方針ですね?

磯貝

そうですね。最初の方でも言いましたが、とにかく自由に、ひとりひとりがベストのパフォーマンスを発揮できる環境でやってもらいたい。現在も色々なプロジェクトが走っていて、本当にたくさんのエンジニアさんに助けてもらっています。それを海外や地方にも広げていきたいですし、そこに共感してくれるような会社さんだったりエンジニアさんがいて、一緒に新しいビジネスをやれたらすごくいいなあと思います。そのためには、やっぱりリモートできる環境は必要ですね。

環境を選べるの、本当に良いことだと思います。本日はどうもありがとうございました。

取材後記

非常に自由で意欲的な印象のeffective様。「オフィスもRemottyも丁度よく、不自由なく」という言葉がとても素敵でした。非常に理想的な環境、ぜひ見習いたいです。ますますのご発展をお祈りしております!

(リモートワークラボ編集部)

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この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。