社員全員リモートワーク、それでもチームワークは良好。その秘訣は?
リモートワークラボを運営するのは株式会社ソニックガーデンです。ソニックガーデンは2016年に物理オフィスを撤廃し、社員全員がフルリモートで働いています。居住地は全国各地、採用もフルリモート。既存のメンバーも、このご時世もあって物理的に顔を合わせる機会はほぼありませんが、それでもそれぞれが快適に仕事し、チームワークはすこぶる良好です。この成功の秘訣とは何なのでしょうか?
信頼関係の前にはオンラインもオフラインもない
テレワークを導入して、なんだか仕事がうまくいかない、チームが回らない、やっぱり対面で仕事したい…そんな意見や記事がネット上には溢れています。画面の中だけのやり取りではうまくいかない、実際に会って話さないと関係は構築できない、本当にそうでしょうか?
信頼関係を構築するのに必要なことは、相手を知ること、約束を守ること、成功体験を一緒に積み上げること。ソニックガーデンでは、中途採用の段階で一緒に小さな仕事をすることでその人の人との関わり方を確認したり、共通体験を得たりします。社内で新しいチームが発足した時には、さまざまな形のワークショップを通じて自己紹介をし合い、お互いを少しでも知ることができるようにしています。その他にも業務日記を読んでもらったり、1 on 1のミーティングを頻繁に行ったりとお互いを知るためのイベントを常に用意しており、そのひとつひとつが信頼関係を構築するための重要なファクターになっています。
もちろん全てオンライン上で行っていることです。でも、オフラインであったとしてもできることであり、大切なことですね。
【ソニックガーデン社長 倉貫義人のブログ:Social Change】オンラインで信頼関係を構築するには
先日、とあるイベントに登壇して「オンラインで信頼関係を構築するには」というテーマで話をしてきました。 コロナ禍の中で、テレワーク/リモートワークに取り組まざるを得ない状況の中、どうやって今までのように信頼関係を築けば良いのでしょうか。オフィスをなくして、全社員がリモートワークで働く私たちの経験を元に考えました。
雑談と相談を駆使して前向きなチームを作る
「ホウレンソウ」という言葉があります。「報告・連絡・相談」を略したもので、社会人の心得として大切なことだと世間でよく言われる言葉ですね。
この中でソニックガーデンが特に大切にしているのは「相談」、それから「雑談」です。起こったことへの対処や判断に困ること、これから必要になるのではないかと思いついたことなど、組織の中で「相談」することはとても大切です。現状を把握し、整理して言葉にし、自分の考えも付帯して、適切な人を選んで相談するということは、高度なスキルでもあります。
【ソニックガーデン社長 倉貫義人のブログ:Social Change】問題解決ツールとして「相談」を使いこなそう
「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)に代わるザッソウ(雑談・相談)」という本を出しましたが、改めて「相談」は強力なコミュニケーションツールだなと感じます。 職場に限らず人間関係のある場で起きうる問題の多くは、相談することで解決のとっかかりを得ることができますし、それだけでなく、相談で人間関係そのものが良好になることさえあります。
「相談」のスキルを磨くこと、同時に相談できる人間関係が構築されているチームを作ることもとても重要です。普段から話しやすい、相談しやすい雰囲気を作るために必要なのは「雑談」。物理的なオフィスにいた頃は、目の前にメンバーが集まっていて、何となく交わされていた雑談が、オンラインになると急になくなってしまう、というのはよくある話です。何でもない会話の積み重ねは、相手の人となりを知ることになったり仕事に繋がるアイディアに発展したり、良い人間関係を築くためには必要不可欠。雑談チャンネルを作ったり、オンライン飲み会を開いたり、雑談を得るための機会を作ることにも、注力してみてください。
雑談と相談を上手に使うことができれば、自ずとチームの関係は円滑になっていきます。
【ソニックガーデン社長 倉貫義人のブログ:Social Change】硬い組織よりも、折れない組織づくり 〜 チームのレジリエンスを高めるザッソウ
仕事が多様化して複雑になり、成果を出すために組織やマネジメントの変化が求められています。そんな時代において「チームの強さ」とは一体どのようなものでしょうか。
「人」を管理しない
離れているのだから、ちゃんとパソコンの前に座っているか、余計なことはしていないか、定時まで働いているか、きちんと管理しなければ!と思ってしまうと、あっという間に上司と部下の関係はギクシャクしたものになってしまいます。
本当に管理したいのは人ではなく、タスクです。ソニックガーデンの社員たちがこのためにやっているのは、「タスクばらし」。大きな仕事を短い時間で終わる単位にばらし、順番にこなしていくことで、進捗状況を適切に把握することができるのです。これなら仕事がどのくらい進んでいるのかが誰の目にも明らかになるので、離れていてもきちんと成果を管理することができます。これを習慣づけることができれば、誰が一定の期間にどれくらい仕事をこなせるのか、苦手も得意も浮き彫りになります。目標も現実的に立てることができそうですね。
タスクを管理すること、そしてやった仕事のふりかえりをすること、やりたい仕事・得意な仕事のすり合わせをすることを繰り返していけば、メンバーは確実に成長し、組織の関係性も成長していくことができます。
ルールを作って縛って人を管理するのではなく、タスクや仕事そのものや結果を管理する。その結果、離れていても破綻しない組織運営ができているのです。
【ソニックガーデン社長 倉貫義人のブログ:Social Change】リモートワークをどう管理するのか? 〜 クリエイティブな仕事のマネジメント7つの観点
リモートワークについて講演をすると必ず出てくるのが「社員がオフィスに来てないと管理できない」「オフィスにいないとサボってないか心配」という話。これは果たして本当にそうなのだろうか。
そんなソニックガーデンが運営するリモートワークラボ、日々のリモートワークアイディアの発信はもちろん、導入のお手伝いもしていますよ。ぜひお気軽にどうぞ。
株式会社ソニックガーデンの代表であり、リモートワークラボの特別顧問でもある倉貫義人のブログには、これからの働き方や経営に関する知見が詰まっています。こちらもぜひ。