リモートワークに必要なスキルとは?〜誰に何を「教育」するか

リモートワークを導入!知っておかなくてはならないことは?

リモートワークを導入するなら、仕事上修正しなければいけない点がいくつかあるんです。

テレワークを導入すると決めた時、オフィスで仕事していた頃とコミュニケーションの取り方や仕事方法を修正しなくてはなりません。

この時、どんな体制でどのように行うか、ツールは何を使用するのかなどに目が向きがちですが、それ以上に大切なのが「リモートワークできるように社員を教育すること」。ここを怠ってしまうとチームが崩壊してしまうことも。既存社員への教育、そして新入社員をどう迎えるかについてお話します。

リモートワークの課題点

リモートワークの課題、わかりますか?

①見えない

リモートワーク最大の難点は「見えない」ということです。対面で一緒に仕事する際、人は自分で意識しているよりもずっと、顔色や表情、仕草などの情報から相手の様子を判断しています。仕事の進捗や、教育や研修の際に「わかっている・いない」などを雰囲気で判断したりすることも少なくありません。リモートで働くということは、この部分がかなりわかりにくくなるということです。

新入社員は特にこの「見えない」状態から、仕事はもちろんチームの人間にも慣れていかなくてはならないということ。普通に考えればかなりの困難を極めることになるでしょう。

②声がけしづらい・伝わらない

相手の様子が見えないということはちょっとした声がけも難しいということです。間違っているようなら注意や軌道修正を、手が止まっているようならアドバイスをしたり、些細なことをすぐに褒めたりなど、特にポジティブな声かけは、円滑なチーム運営には必要不可欠。小さな声掛けを積み重ねた結果がその人の印象となり、人間関係の大事な礎となります。

これらの「見えない・伝わらない」という2つの課題を克服するために、必要なスキルを既存社員・新入社員ともに周知し伸ばす必要がありますね。

既存社員へしておきたい3つの「リモートワーク教育」

既存社員へしておきたい3つの「リモートワーク教育」

①コミュニケーションスキル

リモートワークでのコミュニケーションの大半はテキストになります。指示も相談も確認もテキストが主体。対面でのコミュニケーションとテキストでのコミュニケーションでの最大の違いは「残る」ことです。

ここで必要になってくるのが「文章力」。わかりやすく伝わりやすい文章を書くスキルが求められます。すれ違いが生じた場合にログを確認すれば、「言った」「言わない」の争いに発展することが避けられるのが利点ですが、逆に「伝え方の悪さ」「文章の拙さ」がコミュニケーションのハードルになってしまうこともあり得るということです。

また、口頭での指示や声がけは、その場の雰囲気や表情などで伝わり方が変わります。しかし文字だけにすると、同じ言葉でも冷たい印象に思えたりそっけなさすぎて感じが悪いと捉えられたりもしがち。社員にはこれらの点を踏まえて、意識してわかりやすい文章を書くよう努力すること、チャットでは絵文字やスタンプで表現を補うことを伝えていきましょう。

リモートワークコミュニケーションの柱としてもうひとつ、web会議があげられます。こちらに関しては、なるべく相槌などのリアクションをはっきり示すこと、カメラ目線で話をすることなど、「伝える」ためのルールを設定すると良いでしょう。


②セルフマネジメントスキル

自己を管理する能力もリモートワークにはとても重要。まずは仕事の目標を明らかにし、そこへ向かうためのプロセスを考えられるようにしましょう。タスクをばらし、何にどれくらい時間がかかるのか、1日のうちに無理なく進められる分量はどれくらいか細かく分析する必要があります。自分で自分を把握するという意識が非常に重要。最初は上手に自己管理することができなくても、業務を細分化し、進捗を細かく上司に報告するということを繰り返していけば、次第にリズムが掴めるようになります。

上司は部下の進捗を確認・把握し、得意不得意を見極めて業務を配分することを忘れずに。セルフマネジメントスキルが上がれば、チームの生産性もぐんと上がります。


③プレゼンスキル

離れて仕事をしている仲間へ細かく声がけをしたり、雑談を心がけることも重要ですが、同じくらい大切なのは日々「発信」をすることです。

進捗を報告する、質問はどんどん投げるのはもちろん、チャットに雑談チャンネルを作って積極的に発信することや、仮想オフィスのタイムライン機能や社内SNSなどを使って自分自身の「つぶやき」を更新していくなど、離れていても「存在している」「話せる人間である」ということのアピールを随所で行うことが必要です。個々のアピールが集合すると、チーム全体の「話しやすさ」「相談しやすい空気」が自然と形成されてきます。また、発信することによって「あの人は何をやっているのかわからない」を解消する狙いもあります。


新入社員をリモートワークへ導くために必要な3つのこと

新入社員をリモートワークへ導く3つのスキル

①オンラインでも「対話しやすい空気」

新しく入ってきた仲間に対しては、徹底的に「対話しやすい空気」を作る必要があります。雑談チャンネルを案内し、既存社員が積極的に仕事に関係ない話をする、チャットなどを使って何気ない声がけを頻繁にする、既存社員同士がちょっとした相談をweb会議やチャット上で交わしている姿を見せるなどすると良いでしょう。「なんでも聞いて良い」「話しかけても良い」と最初に印象付けることが大切です。

オンラインの飲み会やランチ会などを開くのもひとつの方法ですよ。
  

②ツールの使い方と通信環境のチェック

どんな時にどのツールを使うのか、ルールはあるのかなど、コミュニケーション以前のことはきちんと伝えておかねばなりません。また、新しいメンバーを迎える時に意外と問題になるのが通信環境です。使用するツールの負荷に耐えられるか、一通りチェックするようにしましょう。困った時の相談窓口をきちんと周知することも忘れずに。

③課題こなしてコミュニケーションスキルもアップ!

レベルに合わせてこなしやすい作業を与え、タスクをばらして業務計画を立て、期限までに提出するという経験を繰り返して、ゆくゆくはセルフマネジメントへとつなげていけるような教育を施すと良いでしょう。

日報を付けたり進捗確認を行ったりして密にコミュニケーションを取るようにすることも忘れずに。コミュニケーションスキルと報告スキルも同時に身に付きます。

リモートワークするにはオフィスと違ったスキルが必要

リモートワークするにはオフィスと違ったスキルが必要

新入社員への教育は誰もが考えることですが、実は既存社員にもリモートワークを円滑に進めるための教育が必要。物理的なオフィスに集まっていた時とは違うスキルが求められますが、みんなが同じ方向を向くことができれば、組織はきちんと機能することができるんです。ぜひ今回のポイントを踏まえて研修など実践してみてくださいね。

この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。