在宅勤務、つらいところはどこか考えてみた〜つらいポイント10選とその解決策

在宅勤務、つらいですか?

在宅勤務がつらいあなたへ

2020年から断続的に発せられる緊急事態宣言とそれに伴うリモートワーク。「慣れた!快適!」という方ももちろんたくさんいらっしゃるでしょうが、一方で「どうしてもつらい」状況も。

今回は、「在宅勤務のつらいところ」とその解決策をまとめました。リモートワークがつらい人にも、そうでない人にもちょっと役に立つ知識をお届けします!

在宅勤務のつらいところ10選とその解決策

①成果へのプレッシャーを感じる

ひとりだと加減がわからなくなりますよね。

自宅でもオフィスでも、大切な仕事の成果。本来ならそれほど違いはないはずなのですが、自宅でリモートワークをしていると、どうしても「自己管理」の部分が大きく感じられるようになります。目の前に仲間や上司がいない分、相談するタイミングを測れず、1人で悶々とする時間が増えてしまいがち。「上司にちゃんと評価してもらえるのか」「ちゃんと結果が出せているのか」という心配が大きなプレッシャーとなってしまう場合もあります。

【解決策】

まずは評価の基準を明確にすること。コミュニケーションを密に取ることが解決への近道です。

ひとりひとりが期限や目標をしっかりと定めるためのミーティングを持ち、また目標を達成するために必要なタスクが何かを細かくバラして考えるようにしましょう。タスクを順調に組み立てることができれば、達成までの道がおおよそ見えてきます。

また、朝会、夕会定期的にチームメイトとコミュニケーションを取る時間を設定することも大切です。その他進捗や状況を定期的に確認するルーチンも必要。もちろんオンライン上であっても雑談する意識づけも並行して行いたいところです。

②リフレッシュしづらい

リフレッシュに罪悪感を感じる人もいるそうです。

リモートワークで自宅で仕事をしていると、休憩が取りづらい・なんとなくマンネリな気分になってしまうという人も多いでしょう。1人の世界で作業をしていると尚更。リフレッシュしようにもなんとなくきっかけが見つからない、PCの前を離れることを罪悪に感じるということも。

【解決策】

まずは「どうやってリフレッシュするか」を決めることをおすすめします。散歩に出る、お茶やおやつをつまむ、数行本を読む、短い動画を見る、なんでも構いません。それから「リフレッシュタイムをいつにするか」も決めてルーチンに組み込んでしまうのもひとつの方法です。作業の区切りが明確ならそれを基準に、1時間ごとに10分など時間を決めるのも良いでしょう。20分ごとに5分の休憩を挟むポモドーロテクニックを用いる人も多いようです。ポモドーロテクニックには、スマートフォンのアプリがたくさん存在します。気に入ったデザインのものを採用するとよりはかどりそうですね。

「PCの前を離れることに罪悪感」という考えは捨てましょう。この考えは時間を基準とした旧来の評価スタイルが少なからず影響しています。会社側も、思い切ってこの基準は捨てて、なるべく成果そのものを見るスタイルに変更することをおすすめします。

③1日中業務時間になってしまう・プライベートとの区別がつけづらい  

ついつい仕事してしまうのは悪い癖。線引きって大切です。

自宅でリモートワークする場合、必然的に生活空間の一部を使って働くことになります。これは家庭での仕事にシームレスに移動できて効率が良い、というメリットがありますが、反面いつでも仕事をしてしまうというデメリットもあります。出退勤の概念も薄いため、気持ちの切り替えがしづらく、就業時間を過ぎても作業を続けてしまい、気づけば長時間労働…という人も少なくありません。

【解決策】

まず起きてただPCの前に座るだけだとしても「出勤」と「退勤」をきちんと決めることが必要です。時間管理アプリや仮想オフィスツールを導入して、チームみんなで毎日出退勤するようにしましょう。こうすることで、時間管理はもちろん、誰がいるのかいないのかがはっきりわかるので、コミュニケーションも取りやすくなります。できればステータス機能も使って、「休憩中」「作業中」「ミーティング中」などメンバーの状況が常にわかるようにする習慣をつけておくと、より物理的なオフィスで働く感覚に近くなります。

リモートであっても残業は残業です。就業時間を過ぎたらPCの電源を切ってきちんと退勤しましょう。終業後はチャットの返信なども一切しない、とチームでルールを決めることも大切です。

④家族と折り合いがつかない  

特に容赦がないのは幼い子どもとペットです。

在宅勤務を選択すると、少なからず家族との折り合いのつけ方が問題になります。特に小さな子どもがいる場合、会議に乱入されてしまったり、何かと呼ばれて作業が進まなかったり…。仕事と家庭の用事をシームレスにこなせるのがリモートワークのメリットではありますが、子育てと両立ができるかというとそうはいきませんね。

また、狭いリビングなどで家族に気を遣いながら作業しなければならない、家族が仕事をしている人間に気を遣って行動しなければならない、という環境も、長く続けば積もり積もってお互いへの大きなストレスになります。家族関係にも後々響いてきそう…。

【解決策】

本格的に在宅勤務になったとして、子どもの面倒を見ながら働くのは不可能と考えた方が良いでしょう。大人が労働する本人のみの場合、日常的に小さなお子さんがいるという環境で業務を遂行するのはかなり困難になりますので、できれば保育施設などに預けて働くのがベストです。

同居の家族がいる場合は、「この時間帯はどうしても1人にして欲しい」とお願いする、狭い部屋なら簡易的な仕切りを作る、ヘッドフォンなどである程度周りの音をシャットアウトするなどが応急措置としてはおすすめです。

ただ、長くその状態が続くようだと家族関係にも影響が及びますので、離れた部屋に小さなワーキングスペースを作ったり、コワーキングスペースなど外に仕事をしに出かけるなどの対策を考える必要があります。

⑤孤独を感じる・寂しい  

寂しさは我慢しすぎると毒になるんです。

在宅勤務になると、どうしても周囲とのコミュニケーションが減少傾向になります。ただただ成果を出すことに追われながら黙々と仕事するだけになってしまうという人も。

近くにいる人となんとなく挨拶したり、休憩中に会った人と雑談したり、思いつきを上司に共有したり、物理的なオフィスにいると、意識せずとも細かいコミュニケーションが生まれます。しかしリモートワークになると、今まで当たり前に会った細かいコミュニケーションが急になくなってしまい、孤独や寂しさを感じやすくなります。

【解決策】

孤独を解消するためには、「雑談」の習慣をつけることが最も適切な手段です。

チャットツールや仮想オフィスに雑談用のチャンネルを作り、メンバーがなんでも書き込めるようにしましょう。ここに書き込むのはなるべく仕事に関係ないこと。挨拶でも近況でも、ふと思ったことでもなんでも大丈夫。返信がなくても会話になっていなくても大丈夫です。大切なのは、チームを構成するメンバーが、目の前にいなくてもちゃんと存在していて、どこかで自分と同じようにPCに向かって仕事しているというのがわかることです。それとは別に個人の専用つぶやきチャンネルを設けて、ひとりごとを投稿するのもおすすめ。この雑談とつぶやきが、物理的なオフィスにあった「周囲のざわざわした感じ」をテキストで演出してくれます。

そのほか、オンラインでランチ会や飲み会を開いてみたり、進捗確認やブレストのオンラインミーティングを設定するのも有効。お互いの音声だけを繋ぎっぱなしにする「さぎょいぷ」を行う人もいます。離れている分、少しだけコミュニケーションへの関心を高めて、音で映像でテキストで繋がる努力をチーム全体でしてみてください。

⑥働く環境が整っていない

オフィスって、なんでもちゃんと揃ってましたよね。

自宅が働く場所として整っていないというのも、よく挙げられる問題です。ローテーブルにパソコンを置いて床に直に座る・硬いダイニングチェアに座る・座った時の高さに合っていないため不自然な姿勢になるなど、生活している時にはあまり気にならなかったことでも、長時間作業をするとなるとかなり体に負担がかかります。

また、ネットワーク環境や季節に合わせた室温管理などもとても大切。体への負担とともにパフォーマンスの低下に繋がり、ストレスも溜まりやすい状態になりますね。

【解決策】

デスク・チェア・インターネット回線は非常に大切です。多少の投資は厭わず良いものを使うことをおすすめします。その他、腰を守るクッションや、暖房器具、エアコンなどを駆使して、快適に働ける環境をきちんと整えましょう。目に優しい観葉植物や、リラックスするための飲み物を常備するなど、些細なことほどメンタルに影響します。長時間過ごす場所だからこそ手を抜かずに整えるようにしてくださいね。

⑦ 仕事をしていないと思われる

「何してる人?」って訊かれるの、地味にストレス。

「家にいると(主に祖父母世代に)何故か無職だと思われる」。地味につらい現象です。無職だとまでは思われなくとも、「なんとなく暇だと思われて家族から頻繁に声をかけられてしまう」という人も多いようです。立場をきちんと理解してもらえないのはつらいことですね。

【解決策】

家にいてくつろいだ格好で働いていると、どうしても「働いていない」ように思われてしまいがちですね。家族には「仕事中である」と理解してもらえるよう、ある程度のルールを設けると良さそうです。就業時間や休憩時間を明確にしたり、会議のスケジュールを伝えたり、関わる人全員で話し合うようにしましょう。

また、オフィス仕様の服装にもならないため、「なんとなくフラフラしている」と思われてしまう人も少なくありません。リモートワークは新しい働き方です。これを馴染みのない世代に理解してもらうには、時間をかけるしかありません。ある程度は我慢が必要かもしれませんが、真摯な説得を。

⑧オンラインコミュニケーションがうまくいかない  

ちょっとしたタイムラグとか、慣れるまで大変です。

オンライン上では、対面時と伝わり方が異なります。一斉に紙の資料をめくる、なんとなく表情や雰囲気で伝える、察するなどができにくい環境です。テキストがそっけない印象で、距離を詰めづらい、怒っているかと思ってこれ以上話しかけられなくなってしまうなどの悩みも。

【解決策】

「なんとなく」が伝わりにくいのがオンラインコミュニケーションです。やり方や手間のかけ方を根本的に変える必要があります。

テキストを使ったコミュニケーションでは、実際に話すよりも表現を柔らかくするように心がけることが大切。絵文字やスタンプなどを積極的に使うのもおすすめです。また、web会議についても、対面と似ているようで、平面であるモニターからは伝わる情報量が少なくなるということも忘れずに。カメラを見て話す・相槌を大きく打つ・リアクションも大きくするなど、対面時とアクションを変える必要があります。

⑨太ってしまう・健康面への不安  

健康問題、結構深刻ですよ。

社会問題にもなりつつあるのが、リモートワークでの健康不安です。通勤がなくなると、その気になれば一日中家から出ずに過ごすことができるのがリモートワーク。かなり意識しないと運動不足になります。運動不足は降り積もると体重の増加や体調不良につながり、やがてそれは睡眠の質や精神面の不調へと影響を及ぼし、それが影響してますます動けなくなる…という負のループに。

【解決策】

通勤という運動を失った今、自ら運動する時間を作るほかありません。時間を決めて散歩をする・毎朝ラジオ体操をする・アウトドアスポーツを週末の趣味に迎える・ヨガマット等のフィットネスグッズを購入するなど、積極的にアクションを起こしましょう。

1時間ごとに席を立ってストレッチするだけでもかなり違います。社内で声をかけ合って行うのも良いですね。

⑩モチベーションを維持しづらい  

エンジンがなかなかかからない人も、過集中になってしまう人もいます。

自宅で1人で仕事していると、デスクに向かっている集団の中にいる時よりもメンタルの揺れが激しく感じられます。ソワソワして落ち着かない、集中力が持続できない日や時間を殊更に感じてしまうような気がしませんか?

通勤の良いところはそれ自体が、プライベートから仕事へ気持ちを切り替えるトリガーの役割が担えることです。周囲に人がいれば緊張状態を保つことができるでしょう。これを自宅でも上手に使うことができないと、効率は落ちてしまいますね。

【解決策】

解決策としておすすめなのは、トリガーとリズムを自分で作ること。部屋着のままではなく着替えて「出勤」、タイマーを使って「休憩」「集中」「アイドリング」など切り替えるのもおすすめです。ポモドーロテクニックを使う人も多いようですね。タスクを細かくバラして、順序や集中して取り組む時間を決めて目標設定するのも効果的です。目標を達成したら、自分で自分に小さなご褒美を与えるのも忘れずに。

色々試して自分に1番しっくりくるパターンを探してくださいね。

在宅勤務をつらさをなくすには

コミュニケーションと環境、この2点はとっても大切です!

宅勤務のつらさは、主にコミュニケーションと個人のリズムに関係します。チームでよく話し合って、積極的にコミュニケーションを取ること、そして自分に合った「働く環境」を整えることを意識すれば、きっと今よりずっと快適に働くことができるはずです。もし、今リモートワークがつらいと感じている方は、今回ご紹介した解決策を参考に、もう一度環境を見直してみてくださいね。

この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。