リモートワークには会社、社員の双方に様々なメリットがあります。
業種や業務内容によって享受できるメリットは異なりますが、検討の参考材料としてご紹介します。
人材確保
労働人口が継続的に減少していくため、人材確保は非常に重要な課題になっています。
リモートワークを導入することで、通勤圏の制約をなくして全国から人材を募ったり、就労意欲とスキルはあるものの子育てや介護で通勤が難しい人材を獲得できるようになります。
就業する側の視点では地方在住であったり、介護等でオフィスで働くことが難しい場合にも、就業先が見つかる可能性が広がることになります。
離職防止、職場復帰促進
リモートワークを導入すると自宅での作業が可能になるため、育児や介護をきっかけとした離職を防止する効果があります。また、産休や育休明けに短い時間から働くことが容易になるため、職場へ早期復帰する社員を後押しする効果もあります。
社員の視点では、育児や介護が原因で不本意な異動や転職をすることなく、自分のキャリアを形成できるメリットがあります。
通勤に関わる負担の軽減
会社視点では、リモートワークの導入によって通勤する社員が減ると、通勤手当の負担が軽くなります。また、通勤時間を自己研鑽や生活の質の向上に活用する社員が増えると、生産性や従業員満足度の向上といった効果を得られます。
社員の視点では、朝の通勤ラッシュで消耗していた肉体的、精神的負担がなくなります。混み合った電車の中で身動きがとれず、オフィスに着いたら疲れてしまっていた、という経験を持つ人は多いでしょう。
参考として、どのくらいの時間が通勤時間として消費されているか計算してみましょう。
NHK放送文化研究所の「2010年 国民生活時間調査報告書」によると、東京圏の平均通勤時間は48分となっているので、往復で約1時間半としてみます。1ヶ月の出勤日を20日とすると、30時間を通勤に費やしていることになり、就業時間を8時間とすると、4日弱分の時間です。
仮に社員が10名いると、1ヶ月間で300時間、37.5日分に相当します。この膨大な時間を有効活用できるのは大きなメリットでしょう。
参考:2010年 国民生活時間調査報告書
悪天候、災害時の事業継続
台風や大雪といった悪天候で足止めされ、お昼過ぎに会社に着いたという経験を持つ人は多いはずです。
リモートワークのための体制作りができていれば、必要に応じて自宅作業に切り替えることで、社員の安全を優先しながら、事業への影響をおさえることができます。また、重要な情報はインターネットでアクセスできる状態になっているため、洪水や地震等の自然災害時にも被害を最小限に抑えることができます。
インフルエンザ等の感染拡大防止
冬場になると、インフルエンザを心配する方も多いでしょう。しかし、感染しているかどうかは発症してからわかることなので、体調が悪いのを我慢して働いていたら感染拡大につながってしまった、などということが起きてしまいます。
また、家族の誰かがインフルエンザに罹った場合、自身も感染しているかもしれないという心配は抱きつつも、体調に異変が出るまでは休むことは難しいでしょう。
リモートワークが可能であれば、自宅で作業をすることで、同僚や職場に迷惑をかける心配なくしっかり働くことができます。また、体調が悪くなった場合にすぐに病院に行ったり、休んだりすることができ、早期対処によって悪化を止めやすくなります。
短時間の私用と業務の両立
日中の通院や役所での手続き、子どもの授業参観など30分〜2時間程度の私用があった場合、オフィス勤務であれば通勤を考慮して半休を取得するのが一般的でした。
リモートワークを活用すれば通勤の考慮が不要なので、私用を済ませた後、作業に復帰することができます。時間を効率良く使って業務への影響を最小限に抑えることができるので、会社にとっても社員にとってもメリットとなります。
まとめ
リモートワークには会社、社員の双方に様々なメリットがあります。
メリットをしっかり説明することで、リモートワーク導入に向けての協力を依頼しやすくなります。
ぜひ参考にしてみてください。
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会社 |
社員 |
メリット |
- 人材確保
- 離職防止、職場復帰促進
- 通勤手当ての削減
- 悪天候、災害時の事業継続
- 感染症の拡大防止
- 短時間私用の業務影響縮小
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- 就業機会の拡大
- 子育て、介護とキャリア形成の両立
- 通勤時間の有効活用
- 悪天候、災害時の安全確保
- 感染症流行時の安心確保
- 短時間私用と業務の両立
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