(最終更新 2019/07/26)
組織のメンバー同士が離れて仕事をするのが、「リモートワーク」。リモートワークは、オフィスありきで、何らかの事情でそこに参加できない人を救済するための方法というだけではなく、「一ヶ所に集まって働かねばならない」という概念を捨てる事を目指しています。
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社が運営する総合求人・転職支援サービス『エン転職』上で、ユーザー8,341人を対象に「テレワーク」についてアンケートが実施されました。
リモートワークの認知度は全体の約半数
その結果、「『テレワーク』という働き方を知っていますか?」という質問に「知っている」と回答したのは全体の40%。さらに年代で分けると、20代は31%、40代以上は49%と年代を重ねるにつれ認知度が上がるという結論が得られました。
これに対して国土交通省が就業者40,000人に対して実施した、「平成29年度テレワーク人口実態調査」の結果では、認知度は62.6%。対象者や母数に差がありますが、テレワーク(リモートワーク)の認知度は大体世間の半数程度に留まっているようです。
では実際に使ったことのある人は?
「これまで働いたことのある会社ではテレワークの制度がありましたか?」という質問には、17%が「ある」と回答しています。実際にテレワークで働いたことがある人は4%。
その中でも、自宅にいて、会社と連絡を取り合いながら働く「在宅勤務型」が83%、次いでクライアントとのやりとりや、移動中などに会社のスマートフォンやパソコンを使って働くが41%となりました。
利用頻度は「週に1~2日」が56%で最多、「週に5日以上」という人は23%となりました。
普及率はまだまだかなり低いようですね。
リモートワークを続けたい人は約7割
テレワーク経験者の7割以上が「今後もテレワークで働きたい」と回答しており、またテレワーク未経験者の40%が「テレワークで働きたい」と回答しています。
テレワーク経験者が、「テレワーク」という働き方を選んだ理由は、
第1位「通勤時間を短くしてプライベートを確保するため」(39%)
第2位「外出が多く、仕事の効率化のため」(33%)
第3位「業務に集中できて生産性が上がるため」(32%)
時間を効率よく使いたいという意識が強く結果に表れていますね。
一方で「もうリモートワークしたくない」の声も
しかしこれに対して、「もうテレワークを利用したくない」とした人は11%、テレワーク未経験者で「働きたくない」と回答した人は12%という結果に。テレワークを敬遠してしまう人も割合多いように見受けられます。これはなぜでしょうか?
テレワークの利用をためらっている人に理由を聞いたところ、「仕事とプライベートを分けたい」が44%でトップ。「長時間労働などの時間管理が不安」が28%、「会社にいる時と同じ効果を出せるか不安」が26%となっています。
「もう利用したくない」と答えた人の具体的な理由としては、
「好きな時間に起きて好きな時間に働く生活になり、生活リズムが崩れた」
「仕事とプライベートの線引きが難しく、終業後もPCで作業してしまった」
「確認したいことが電話やメールだと伝わりづらい」
「業務の難しさや時間のかかり具合を上司が把握しておらず、『短時間でできるはずだ』と正当に評価されなかった」
「ずっとひとりで仕事をしていると淋しい」
など、コミュニケーション面や時間の使い方や切り替え方を困難に感じる方が多いようです。テレワークには、会社側の環境整備はもちろん、評価方法の確立や、社員の意識改革も必要ということがわかります。
リモートワークの失敗…もう今度はうまくやるための対策は?
では、テレワークがあまりうまくいかなかった、と感じた人達に対して有効な対応策を考えてみましょう。
「仕事とプライベートを分けたい」「長時間労働などの時間管理が不安」
オンラインタイムカードや、バーチャルオフィスツールを使って、ある程度就業時間を決めて、メリハリをつけるのが有効です。
「確認したいことが電話やメールだと伝わりづらい」
web会議を使うことに慣れ、何かあればすぐに話しかけるようにする癖をつけると良いでしょう。文字チャットとweb会議を状況に応じて使い分けることで、オフィスでデスクを並べているのと同様の感覚で働くことが可能です。
「業務内容や時間感覚を上司に理解され辛い」
…チーム全体としての評価基準を今一度見直す必要がありますが、今自分がどんな作業をしているかなどの状況をこまめに掲示板に書き込むなどの「発信」を心がけるのが有効です。チャットルームを分けたりタイムライン投稿を使って雑談やつぶやきを共有すると、より個々の「顔」が見えやすくなり、また困難や課題なども伝わりやすくなります。
「孤独を感じる」
リモートワークは一見ひとりで仕事をしているように見えますが、離れていてもチームの一員です。しかし現実問題として、実際の誰とも顔を合わせない状況に、人は孤独を感じやすくなります。
これを解消するために、ひいてはチームのコミュニケーションを円滑にするために、「Remotty」をはじめとするバーチャルオフィスツールや、「Zoom」や「appear.in」などのオンライン会議ツールを日常的に使うことをおすすめします。
リモートワーカーもオフィスワーカーも等しくバーチャルオフィスに「出勤」し、少しでも疑問が生じたらすぐにオンライン会議で話かける。進捗や雑談、相談などをチャットツールやSNSのタイムラインにどんどん流していく、など離れているからこそ、コミュニケーションを密にする意識が必要です。気兼ねなく話しかけられる雰囲気をチーム内で作るということも大切ですね。
リモートワークは怖くない!
慣れるまでは何かと戸惑いがちなリモートワークですが、時間管理の方法やコミュニケーションの取り方に慣れれば、より自由に効率よく働くことができるようになります。
リモートワークに興味がある方、再チャレンジしてみたい方、一度対策を考えてみてはいかがでしょうか?
次の記事で、リモートワークのためのより良いオフィス環境について考えてみましょう。